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EUが銀行救済の新枠組み発表、スペイン問題には対応間に合わず

[ブリュッセル 6日 ロイター] 欧州連合(EU)の欧州委員会は、銀行に問題が生じた際に当局に一段の監督権限を与える規制案の枠組みを発表した。

6月6日、EUの欧州委員会は、銀行に問題が生じた際に当局に一段の監督権限を与える規制案の枠組みを発表した。写真はブリュッセルで昨年11月撮影(2012年 ロイター/Francois Lenoir)

これで欧州は、欧州中央銀行(ECB)が提唱する銀行同盟に一歩近づいたことになる。

新提案では、銀行の破綻により市場の大混乱を防ぐため、経営が行き詰まった銀行に対して当局が介入できるよう一段の権限を与える。

まず、EU各国と欧州議会の承認が必要となり、恐らく2015年までは導入されない。このため、現在スペインが抱えている国内銀行の問題に対処するには遅すぎるといえる。

欧州議会の経済金融委員会のシャロン・バウル委員長は「きょうの提案は将来のためにのみ有効で、現在われわれが直面している問題は解決しない。短期的に他の措置が必要だ」との見方を示した。

米リーマン・ブラザーズ破たんのような金融危機の再発防止に向け草案が練られていたこの案は、銀行の借り入れコストに影響が及ぶとの見方などから作業が遅れていた。上位社債保有者に損失負担を強制することが盛り込まれていることから、デフォルト(債務不履行)に対する警戒感から銀行の借り入れコストが上昇するとの懸念がある。

今回の案がEU加盟国および欧州議会で承認されれば、ドラギ総裁が提唱するEU域内の銀行同盟への足掛かりとなる。ドラギ総裁は銀行同盟について、1)銀行に対する中央監視機能、2)大手銀行の破綻処理のための基金、3)域内全体の預金保険制度──を3つの柱に掲げる。

欧州委員会のバローゾ委員長は、銀行同盟に向けた重要な一歩になると評価し、銀行セクターの責任が重くなる、と述べた。

ただ、銀行同盟の実現には多くの障害がある。ドイツは他国の銀行の破綻処理コスト負担を迫られる恐れがある全欧州的なスキームへの同意を渋っており、英国は自国経済の10分の1の規模を占める金融サービス業にEU当局が縛りをかけようとする動きには、猛烈な抵抗を見せている。

また、欧州委員会が2010年に提案した預金保険制度に関する枠組みでは、欧州議会と加盟国間の交渉が行き詰まった経緯がある。

6日に提示された案では、銀行の破綻に備え、緊急融資や保証提供のため銀行から毎年税金を徴収し、破綻処理や預金保護のために預金全体の1%に相当する基金を創設する。欧州委員会の試算によると、ユーロ圏全体の基金規模は10年後に約700億ユーロ(870億ドル)になる。EU27カ国全体では1000億ユーロに達する。

欧州議会で加盟国との交渉を主導しているペーター・シモン議員(ドイツ出身)は「破綻処理と預金保証のための基金について、欧州委員会が示す1%という数字は理解できない」と述べ「中規模の銀行に問題が発生した場合、預金者への払い戻しだけで最低1.5%が必要になると欧州委員会はこれまで主張してきた。3分の1少ない額では対応できないだろう」との見方を示した。

*内容を追加して再送します。

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