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政府が大飯原発再稼働を正式決定、関電は本日中に起動作業

6月16日、政府は関西電力・大飯原子力発電所3、4号機の再稼働を正式決定。写真は野田首相。8日撮影(2012年 ロイター/Kim Kyung Hoon)

[東京/大阪 16日 ロイター] 政府は16日、関西電力9503.T大飯原子力発電所3、4号機(福井県おおい町)の再稼働を正式決定した。同日午前に福井県の西川一誠知事が首相官邸を訪問し、野田佳彦首相ら関係閣僚に再稼働に同意する意思を伝えた。

その後の4大臣会合で野田首相は「大飯発電所3、4号機を再起動させることを政府の最終的な判断とする」と表明した。関電は同日中に起動作業に着手する。

昨年3月11日に東京電力9501.T福島第1原子力発電所で事故が発生して以来、停止中の原発が運転を再開するのは初めて。関電によると3号機の発電開始は早ければ7月4日、4号機は同20日となる見通し。今年5月5日に北海道電力9509.T泊原発3号機が定期検査に入ったことで全国に50基ある原発は全て稼動がストップした状態が続いているが、大飯3、4号の再稼働することで、原発が基幹電源となって以降は初となった「全国で原発稼働ゼロ」は約2カ月間で解消する。

発電量で国内の約3割を担う原発の全基停止という事態を受け、政府は5月18日、関電など7電力管内で数値目標の伴う節電対策を発表した。原子力比率が高い関電の場合、節電目標は15%以上(7月2日から9月28日まで)と全国で最も高いが、大飯3、4号(合計出力236万キロワット)が再稼働した場合、2割に近い夏場の需給ギャップが解消すると試算されていた。

枝野幸男経済産業相は4大臣会合後に記者会見し、節電要請の見直しについて「(大飯3、4号から)電力が供給される状況になるまで国民、産業界への節電への協力を引き続きお願いしないといけない。今日から始まる再稼働に向けた作業の状況を見ながら判断していく」と述べた。関電の八木誠社長は同日正午から大阪市内の本店で記者会見し、8月の電力不足は計算上、ほぼ解消する見通しを示したうえで、「(電力供給状況は)決して楽観的なものではない」と指摘した。

大飯3、4号以外の原発の再稼働について枝野経産相は「再稼働のプロセスには原子力安全委員会の協力が必要だが、残念ながら安全委の協力を3月末から頂けていない。独立機関の安全委は内閣が指揮命令する関係ではなく、安全委の協力を得るのは困難」との認識を示した。一方、原子力の新規制組織の設置法案が今国会で成立することが確実となり、9月までに内閣から独立性を持った「原子力規制委員会」が発足する見通し。枝野氏は「新規制機関が安全性を確認した場合に初めて内閣として様々な対応が可能になる」と述べた。

(ロイターニュース、浜田健太郎 長田善行 編集:伊賀大記)

*内容を追加します。

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