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6月の中国CPI鈍化、金融緩和余地広がる

[北京 9日 ロイター] 6月の中国の消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)はともに予想を下回る結果となった。需要減退の兆候が示され、当局がさらなる景気支援策を打ち出す可能性がでてきた。

7月9日、中国国家統計局が発表した6月の消費者物価指数(CPI)は前年比2.2%の上昇となり、前月の3.0%上昇から伸びが鈍化した。武漢で6月撮影(2012年 ロイター/Darley Shen)

中国国家統計局が発表した6月のCPIは前年比2.2%上昇。前月の3.0%上昇から伸びが鈍化し、ロイターがまとめたエコノミスト予想(2.3%上昇)を下回った。前月比では0.6%低下。市場予想(0.3%低下)の倍の低下率となった。

6月のPPIは前年比2.1%低下。4カ月連続の低下となった。市場予想は1.9%の低下だった。前月比では0.7%低下した。

国泰君安証券(上海)のアナリスト、WANG JIN氏は、PPIは、景気減速を確認する結果で、この後発表される鉱工業生産、その他の経済指標もさえない数字となる可能性があると指摘した。

中国は2009年2月から10月にかけてデフレ局面に陥った。消費者物価は09年末までに0.7%下落を記録。成長も鈍化し、09年第1・四半期は6.6%と8年ぶりの低水準となった。

OCBC銀行(シンガポール)のエコノミスト、Dongming Xie氏は「中国にとって、インフレはもはや脅威ではなくなった」と指摘。「7月のCPIは2%を下回る見通しだ。インフレを判断する上で、8月と9月のデータが重要になる。 物価の下落ペースが速過ぎ、デフレ観測が高まれば、当局はさらに金利を引き下げるだろう」との見方を示した。

中国ではこの日のインフレ指標を皮切りに今週、一連の指標が発表される。ロイター調査によると、13日発表の第2・四半期の中国国内総生産(GDP)伸び率は前年同期比7.6%と、世界的な金融危機の最中だった2009年第1・四半期以来の低い伸びが予想されている。

第1・四半期のGDP伸び率は8.1%だった。

<価格下落は需要鈍化の証左>

4カ月連続で下落したPPI。前年に比べて商品(コモディティ)、その他投入価格が下落したベース効果もあるが、世界経済の減速に伴い、中国の鉱工業生産に対する海外の顧客からの最終需要が特に減退している兆候も示す。

その点は政府指導部も認識しているようだ。温家宝首相は8日、景気支援に向け経済政策の微調整が必要、との考えを示した。

新華社によると、温首相は「中国の景気は現在おおむね安定しているが、引き続き大きな下振れ圧力に直面している。政策の微調整をさらに進めるべきだ」と指摘。  「信用の構造的ひっ迫を効果的に解決するため慎重な金融政策を維持する一方で、構造的な減税政策の改善に注力しながら、積極的な財政政策を引き続き行うべき」と述べた。

アナリストの間では、住宅購入規制の緩和が景気を刺激するための最も即効性がある措置との指摘が出ている。

しかし、温首相は不動産引き締め策の手は緩めない方針。

首相は7日、「現在、不動産市場の調整は依然として重要な段階にあり、われわれは断固たる姿勢で抑制策を続け、投機的な不動産投資との戦いを長期的な政策としなくてはならない」と述べ、住宅価格の「妥当な後退」を達成する方針をあらためて表明した。

<政治イベントも影響>

インフレ圧力緩和の兆候は、インフレ動向を注視する当局にとって、金融・財政政策を景気支援型に調整する一段の裁量を与えることになる。

景気支援措置が予想される背景には、今年秋に予定される10年に1度の指導部交代がある。共産党としては、一党支配体制を正当化する上でも、社会的安定と経済的繁栄を確保して政治的に重要な節目を迎えたい。

実際、中国人民銀行は前週、ほとんど市場の虚を突く形で追加利下げを発表した。預金準備率も2011年11月以降3回引き下げている。

だが、エコノミストの間では、政策の軸足は明らかに成長支援だが、一段の追加利下げがあると断言はできないとの声もある。

野村(香港)の中国担当チーフエコノミスト、ZHANG ZHIWEI氏によると、6月CPIの前月比0.6%下落は、2001年以降の平均(同0.5%下落)並み。同氏は年内の追加利下げはないとみている。

コモンウェルス・バンク・オブ・オーストラリア(シンガポール)のエコノミスト兼通貨ストラテジストのアンディ・ジ氏も同様な見方だ。同氏は人民銀行が2カ月連続で利下げしたことに関し「利下げ効果が現れるのに時間がかかることを考えれば、利下げは早い方がいい」と指摘。今後は2回の利下げを効果を見極めることになるため、早期の追加利下げはないと予想している。

*内容を追加して再送します。

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