[ベイルート 24日 ロイター] シリア政府は23日、同国が化学兵器を保有していると初めて認め、外国の軍事介入があった場合は使用する可能性を明らかにした。
シリア外務省のマクディシ報道官は、同国が化学兵器や細菌兵器を保有していると認め、「国外からの侵略がない限り、シリア情勢がどのような状態に陥ってもこれらの兵器が使用されることはない」と述べた。
シリアは化学兵器禁止条約に署名していない。過去に同国の当局者が化学兵器の貯蔵を認めることはなかった。
マクディシ報道官の発言を受け、欧米諸国は相次いで懸念を表明。オバマ米大統領は、国際社会がアサド政権を監視し続けるとし、化学兵器が使用されるような「悲劇的な過ち」があれば、アサド大統領らは責任を問われることになると述べた。英国やドイツなども、シリアが化学兵器を使用する可能性を明らかにしたことは受け入れ難いとの考えを示した。
軍事情報サイト「グローバル・セキュリティー」によると、シリアの化学兵器は首都ダマスカスの北部、ホムス近郊、ハマ、ラタキア近郊の国内4カ所にあるとみられ、サリンやVXガス、タブンなどが製造されているという。
反体制派からの情報を収集する「シリア人権監視団」は、21日にダマスカスで戦闘が激化して以来、シリア全土の死者は計1261人に上ると発表した。
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