[サンフランシスコ 26日 ロイター] 米ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)大手のフェイスブックFB.Oが26日発表した第2・四半期決算は、投資家の高い期待に応えることができず、株価は時間外取引で急落した。
第2・四半期の売上高は11億8000万ドル。前年同期の8億9500万ドルから32%増加し、アナリスト予想とほぼ同じ水準となった。
第3・四半期の見通しは示さなかった。
市場関係者のコメントは以下の通り。
●広告収入は予想超え、懸念されたほど悪くない
<サスケハナ・フィナンシャルのアナリスト、ハーマン・レウン氏>
広告収入は予想を若干上回った。(決済システムからの)ペイメント収入は減収したが、これは前日発表された米ソーシャルゲーム大手のジンガZNGA.Oの第2・四半期決算でも同様の結果であったことから、予想はされていた。全体としては懸念されていたほどは悪くなかったものの、予想ほど良好な内容ではなかった。
業績ガイダンスが示されなかったことで、市場参加者の間では苛立ちがみられ、これが株価下落の一因になっていると思われる。
●市場の期待に届かず、利益創出力に不安
<USグローバル・インベスターズのシニアトレーダー、MICHAEL MATOUSEK氏>
予想とは一致したが、市場の期待はもっと高かった。株価がいったん上昇したものの、下げに転じたのは、そのためだと思う。
重要な問題は、多数のユーザーをいかに利益に結び付けるかだ。それができないと考える人が多い。
フェイスブック株はチャート分析でも弱気のサインがでている。あす、26ドルを割り込めば買い戻しが入る可能性もあるが、決算という新たな情報が出た今、それは望ましくないようにみえる。こういう表現はしたくないが、フェイスブックをめぐる神話が崩壊したという感がある。
●ガイダンス公表見送りで業績懸念強まる
<BTIGのアナリスト、リチャード・グリーンフィールド氏>
前日明らかとなったオンラインゲーム大手ジンガZNGA.Oのさえない決算やクレジット事業の動向から、向こう数年間の当該事業面に対する業績期待はかなり後退するとの思惑が現実となりつつある。何よりも今回フェイスブックが今後の業績予想(ガイダンス)の発表を見送ったことで、通期の業績は投資家の期待に届かないのではとの懸念が強まっている。利用者数、売上高のいずれも減速していることは明白で、自社予想もないなか、同社が伸びていると信じるには不安が大きいと言わざるを得ない。
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