for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up

9月FOMCに向け追加緩和策の是非探るバーナンキ議長

[シカゴ/ニューヨーク 2日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)は今週の連邦公開市場委員会(FOMC)で追加緩和を見送ったが、景気が上向かない限り行動する用意があることを示唆した。それを受け、バーナンキ議長はこの夏いっぱい、追加緩和の必要性を示唆するデータの出現に目を凝らすことになりそうだ。

8月2日、米FRBは今週のFOMCで追加緩和を見送ったが、景気が上向かない限り行動する用意があることを示唆した。写真はバーナンキ議長。7月撮影(2012年 ロイター/Jason Reed)

9月12―13日に開かれる次回のFOMCでは、追加緩和策について議論されることは間違いない。

3日に発表される7月の雇用統計では、最近の低調な雇用創出力が著しく回復するとは考えにくい。9月初めに発表される8月の雇用統計でもそうした傾向に変化が見られなければ、FRBが大規模な債券買い入れに乗り出す可能性が高まる。

JPモルガンのチーフエコノミスト、マイケル・フェロリ氏は、顧客向けリポートの中で「追加緩和策が確実とは言えないが、雇用情勢がはっきり上向くことには懐疑的にならざるを得ない。来月にはさらなる資産買い入れが行われるだろう」との見方を示した。

<小売りデータも重要>

多くのエコノミストは、FRBによる次の行動は量的緩和第3弾(QE3)になると考えている。

だが、雇用、生産、小売りなどに関する最近のデータは低迷しているとはいえ、QE3の必要性を訴えかけるほど切迫はしていない。そのため、今週のFOMCについても、多くのエコノミストは追加緩和が見送られると予想していた。

しかし、次回のFOMCまでには2度の雇用統計と小売売上高が発表される。8月14日に発表される小売売上高は、消費者が第3・四半期になっても慎重な姿勢を続けているかどうかを判断する材料となる。

小売売上高はこれまで3カ月連続で減少。2008年に金融危機が始まって以来、最長のマイナスとなっている。

バーナンキ議長は8月末にワイオミング州ジャクソンホールでスピーチを行う予定。この会合は市場関係者の高い注目を集めており、それまでに追加緩和の是非を判断する材料を集め、考え方をまとめる可能性がある。

<追加緩和策の選択肢>

FRBが追加緩和策に踏み切るかどうかもさることながら、エコノミストはその方法についても注目している。

QE3が実施されるとすれば、おそらく何らかの形でモーゲージ債の買い入れが含まれる可能性が高い。FRBはようやく持ち直しの兆しが出てきた住宅セクターのテコ入れが重要だと判断しているためだ。

サンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁は以前からこのアプローチを支持しており、国債を買い入れるよりもモーゲージ債を買い入れる方が幅広く金利を引き下げる効果があると指摘している。

もっとも、FRB内部には今回のFOMCで異議を唱えたラッカー・リッチモンド地区連銀総裁のように、債券買い入れを行っても雇用創出の効果はほとんどなく、インフレを招くだけだと反対する声もある。

他の緩和手法としては、銀行に貸し出しを促すため、銀行がFRBに預けている準備預金の金利(現在0.25%)を引き下げることが考えられる。

それ以外にも、英中銀のイングランド銀行が最近発表したように、銀行が個人や企業に貸し出すことを条件に、FRBが銀行に低利の短期資金を提供する方法も考え得る。

一方、11月に大統領選挙を控えていることが、FRBの政策に影響を及ぼす可能性もある。

特に共和党議員を中心に、議会ではFRBが米経済をインフレリスクにさらしているとの批判も強いためだ。

一部のコメンテーターは、FRBが今週のFOMCで追加緩和を見送ったのは、政治的な配慮があった可能性もあると指摘している。

(Ann Saphir、Jonathan Spicer 記者;翻訳 長谷部正敬;編集 田中志保)

for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up