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エルニーニョ現象が発生、食料価格さらに上昇の恐れ

8月10日、気象庁は、南米ペルー沖の太平洋中部の赤道付近で海面温度が上昇する「エルニーニョ現象」が2年ぶりに発生したとみられると発表した。写真は7月、インディアナ州で撮影(2012年 ロイター/John Sommers II)

[東京 10日 ロイター] 気象庁は10日、南米ペルー沖の太平洋中部の赤道付近で海面温度が上昇する「エルニーニョ現象」が2年ぶりに発生したとみられると発表した。世界的に食料供給への不安が高まる中、オーストラリアからインドまでの広い地域で、農産物生産が打撃を受ける恐れが出てきた。

米国では、穀倉地帯が半世紀ぶりの大規模な干ばつに見舞われたため、過去2カ月でトウモロコシ相場が60%以上高騰。南米の干ばつの影響で大豆の需給もひっ迫している。

世界の食料事情に関しては、国連食糧農業機関(FAO)が9日、穀物相場の上昇により、2007─08年の食料危機が再来する可能性があるとの懸念を示したばかり。

気象庁はウェブサイトなどを通じ、「エルニーニョ現象が発生したとみられる。冬まで持続する可能性が高い」としているが、その程度や期間は不確定要素が大きい。もしエルニーニョ現象が強ければ、オーストラリアやアフリカの一部、東南アジア、インドが干ばつに見舞われる可能性がある一方、世界の他の地域では降雨が見込まれる。

そうなれば、南米ではトウモロコシと大豆の生産量増加につながる一方、オーストラリアでは小麦の収穫が打撃を受ける恐れが出てくる。また、東南アジアではコメが不作になる可能性もある。

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