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貿易収支は7月として過去最大の赤字 海外経済減速で輸出減響く

[東京 22日 ロイター] 財務省が22日に発表した7月貿易統計速報によると、貿易収支(原数値)は5174億円の赤字となった。欧州債務危機を契機とする海外経済の減速で中国や欧州連合(EU)向け輸出が大幅に減少し、輸出が2カ月連続で減少したことが響いた。

8月22日、7月貿易統計速報によると、貿易収支は5174億円の赤字となった。赤字は2カ月ぶり。都内の港湾施設で7月撮影(2012年 ロイター/Yuriko Nakao)

貿易収支の赤字は2カ月ぶり。赤字額も7月として過去最大を記録した。

先行きについて財務省では「海外経済の下振れリスクに注視する必要がある」としている。

<輸出が8.1%の大幅減、EU向けは09年10月以来の大幅減>

輸出は前年比8.1%減の5兆3133億円で2カ月連続で減少した。欧州債務危機を契機とした海外経済の減速が影響し、中国向け、EU向けが2桁の大幅減となった。

地域別では、米国向け輸出が前年比4.7%増と9カ月連続で増加したが、EU向け輸出が前年比25.1%減と大きく沈んだ。減少幅はリーマン・ショック後の2009年10月(同29.0%減)以来の大幅なもので、6月、7月と20%超の減少が続いている。

この結果、EU向けの輸出・輸入の差し引きは953億円の赤字となり、5月に初めて貿易赤字に転じて以降、最大の赤字額を記録した。

中国向け輸出は同11.9%減と前月より減少幅は拡大し、2012年2月(同14.0%減)以来の大幅な減少となった。減少は2カ月連続。

品目別では、半導体等電子部品(13.9%減)、鉱物性燃料(24.6%減)、船舶(18.0%減)などが減少。自動車(4.6%増)が増加した。

為替レート(税関長公示レート平均)は1ドル79.52円で対前年比1.1%の円高だった。

<輸入は2カ月ぶりに増加、原粗油が22カ月ぶりに減少>

輸入は同2.1%増の5兆8307億円。2カ月ぶりに増加に転じたが、原粗油が22カ月ぶりに減少に転じるなど、「輸入全体も比較的低調」(財務省筋)。

増加品目は液化天然ガス(24.2%増)、通信機(35.4%増)、自動車(64.7%増)など。原粗油(8.8%減)や鉄鉱石(32.8%減)などが減少した。

輸入原油単価は前年比11.0%低下の5万1098円/キロリットルで、ドルベースでは同10.9%低下の102.2ドル/バレルだった。

ロイターが民間調査機関を対象に行った調査では、予測中央値は2725億円の赤字。輸出は前年比2.9%減、輸入は同3.1%増だった。

<日本の製造業の地盤沈下が浮き彫りに、外需低迷の影響も>

7月の貿易統計について、みずほインベスターズ証券のチーフマーケットエコノミスト、落合昂二氏は「(貿易赤字は)これまでエネルギーの輸入が増えたためと説明されてきたが、今回は、前年同月比で増えてない。むしろ日本の得意分野だったはずの自動車や電気機器の輸入が増え、その一方で、機械や電気機器の輸出が減っている」と指摘。「外国為替相場は目立った反応を示さなかったが、日本の製造業の地盤沈下が浮き彫りになった。日本株が値下がりする中で債券への押し目買いニーズが強まりそうだ」との見方を示した。

三井住友信託銀行のマーケット・ストラテジスト、瀬良礼子氏は「赤字拡大の原因は、輸出の大幅減にある。これまではエネルギー関連の輸入が貿易赤字の最大の要因と言われていたが、外需低迷の影響も出てきた。この先、輸入はそれほど大きく落ちていくことはないだろうが、外需が落ちてくることで、予想以上に赤字幅が拡大するリスクに警戒する必要がある。外需が不透明になってきたことで、赤字方向に振れていくリスクが高くなってきた」との見解を示した。

(ロイターニュース 吉川 裕子;編集 山川薫)

*内容を追加して再送します。

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