[東京 6日 ロイター] 午後3時のドル/円は、前日のニューヨーク市場午後5時時点からほぼ変わらずの78円前半。今晩の欧米の重要イベントを前に一段とこう着感が強まった。日銀の白川方明総裁の講演内容が伝わったが、市場の注目度は低く、目立った反応は見られなかった。
午後は、各通貨ペアとも小動きに終始した。この日は欧州中央銀行(ECB)理事会のほか、米国では明日発表される8月米雇用統計の「前哨戦」(大手邦銀)と目されている8月ADP(オートマチック・データ・プロセッシング)全米雇用報告の発表が予定されているため、積極的な売買にはならず、「マーケットは静か」(同)な展開となった。
日銀の白川方明総裁は6日、都内で講演したが、市場参加者の注目が欧米の重要イベントに向かうなか、マーケットの反応は乏しかった。
バークレイズ銀行・トレーディング部の小川統也ディレクターは、白川総裁の講演について「特段目新しいものはなく、相場形成には関係ないだろう。きょうはECB理事会が控えているし、明日は米雇用統計の発表が控えている。マーケットの人はこちらの内容を待っているから、その前にポジションを動かそうとする機運にはならない」と話した。その上で、「いま、日銀の追加緩和の有無にマーケットの注目が向かっているとは決して思わない。グローバルでイージング・スタンスになっていることを確かめる意味では、ECB理事会と来週のFOMC(米連邦公開市場委員会)がまず最初」と指摘した。
白川総裁は、景気回復シナリオが実現するかどうかは、内需が堅調なうちに世界経済が減速を脱するかにかかっている、と述べた。また、金融政策については、財政ファイナンス(中央銀行による財政支援)を目的とした国債の買い入れは行わないと強調した。このほか、外債購入については「外債購入は為替介入そのもの、政府の為替介入の是非として議論すべき」と述べたほか、「日銀は為替の日本経済への影響踏まえ金融緩和を実施してきた」と指摘した。
この日、ドル/円の午前7時以降、午後3時までの取引レンジは上下わずかに9銭。午後は一段と値幅が小さくなった。仲値公示までは輸入企業の買いが相場を支えていたが、その後は投機筋の売りが上値を抑えた。
ユーロは対ドル、対円でともに小動き。午前、8月豪失業率が予想外の改善を示すと、ややリスクオンに傾いてユーロ/ドルは1.26ドルを回復したが、午後は一進一退となった。
(ロイターニュース 和田崇彦)
ドル/円JPY= ユーロ/ドルEUR= ユーロ/円EURJPY=
午後3時現在 78.41/43 1.2610/14 98.90/91
正午現在 78.39/41 1.2612/16 98.86/90
午前9時現在 78.41/43 1.2598/02 98.80/85
NY午後5時 78.39/41 1.2601/03 98.75/80
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