for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up

9月日銀短観で業況感改善に一服感、「割引」必要との声

[東京 1日 ロイター] 日銀が1日発表した9月全国企業短期経済観測調査(短観)では、大企業製造業の業況判断DIが3四半期ぶりに悪化、同非製造業は横ばいとなるなど、これまでの改善基調の一服感を示す内容となった。

10月1日、日銀が発表した9月全国企業短期経済観測調査(短観)によると、大企業製造業・業況判断指数はマイナス3となった。都内の日銀本店で9月撮影(2012年 ロイター/Yuriko Nakao)

事業計画は相対的に底堅い内容になったが、尖閣諸島(中国名・釣魚島)をめぐる問題などの調査結果への反映は限定的とみられ、市場からは結果を割り引いてみる必要性も指摘されている。

<業況判断DI、大企業製造業3期ぶり悪化・非製造業は改善止まる>

足元の業況判断DIは、大企業製造業でマイナス3となり、3四半期ぶりに悪化。同非製造業はプラス8と前回と同水準になったものの、これまで4期連続で改善しており、ピークアウト感をうかがわせる内容となった。先行きは製造業で横ばい見通しだが、非製造業はプラス5と2四半期連続の悪化が見込まれている。業種別にみても、全28業種のうち、大企業は足元で12業種、先行きで15業種が悪化または悪化を見込んでいる。特に自動車は、大企業製造業でプラス19となり、前回6月調査に比べて13ポイントも悪化。先行きもマイナス5に悪化する見通しで、9月のエコカー補助金終了という政策効果はく落の影響がうかがえる。

9月短観は、海外経済の減速が長期化し、日本の輸出や生産への影響が顕在化する中で調査が行われた。大企業製造業の「海外での製商品需給判断DI(需要超過─供給超過)」をみると、足元でマイナス13となり、前回6月調査に比べて3ポイント悪化。2010年3月以来となる供給超過水準で、海外需要の減少傾向が裏付けられた格好だ。先行きはマイナス11に小幅改善が見込まれている。2012年度の売上計画のうち大企業製造業の輸出は、前年比7.2%増が見込まれているものの、前回調査に比べて0.9ポイントの下方修正となっている。

<事業計画しっかり、尖閣・円高など織り込めず>

事業計画は、全規模・全産業ベースでみて増収・増益見通しが維持されるとともに、設備投資計画もしっかりした内容となるなど例年のペース並みで推移している。業況判断DIなども含め、9月短観の結果について、市場は「意外に踏みとどまっている印象」(ニッセイ基礎研究所・経済調査室長の斎藤太郎氏)との受けとめが多い。

もっとも、調査の回収基準日が9月11日で、それまでに7割弱の企業が回答しており、その後に緊張感が高まった尖閣諸島をめぐる日中間の問題の織り込みは限定的とみられる。想定為替レートをみても、2012年度は1ドル=79.06円、下期は同78.97円となっており、足元の同78円程度よりも約1円の円安方向だ。こうした点を踏まえ、第一生命経済研究所・首席エコノミストの嶌峰義清氏は「今回の結果は控えめに見る必要がある」と指摘。その上で「製造業にとっては円高や中国問題、内外で想定以上に景気減速感が出ている中で、業績の下ぶれリスクがある」と警戒感を示している。

(ロイターニュース 伊藤純夫 竹本能文)

*内容を追加して再送します。

for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up