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中国指導部3氏、政治局常務委の候補者名簿で合意=関係筋

[北京 19日 ロイター] 複数の関係筋によると、中国の江沢民・前国家主席、胡錦濤・国家主席、習近平・国家副主席の3氏が、共産党の最高意思決定機関である中央政治局常務委員会の候補者名簿で合意した。

10月19日、複数の関係筋によると、中国の江・前国家主席、胡・国家主席、習・国家副主席の3氏が、共産党の最高意思決定機関である中央政治局常務委員会の候補者名簿で合意した。写真は7月、武漢で撮影(2012年 ロイター)

名簿には、外国人投資家の間で人気が高い王岐山副首相(64)の名前がある一方、政治改革を強く主張する汪洋・広東省党委書記(57)の名前は掲載されていない。

党幹部に近い関係筋3人が明らかにした。

常務委員会の人選は、来月の党大会で正式決定する。重慶市トップの薄熙来氏の解任劇で内部の混乱が露呈した同党だが、3氏の合意により、次期指導部の選定がスムーズに進む可能性がある。

ただ、候補者名簿に他の長老が反対する可能性も残されているという。

候補者名簿によると、政治局常務委員会は現在の9人から7人に減らす。候補者名簿には、次期国家主席への就任が内定している習近平氏(59)、次期首相候補の李克強副首相(57)のほか、外国人投資家の間で人気が高い王岐山副首相が名簿に入った。党内で最も強く政治改革を訴えている汪洋・広東省党委書記は候補者名簿に掲載されていない。

汪洋氏は欧米諸国で、言論の自由や市民の草の根運動に比較的寛容な改革派とみられている人物。候補者名簿には、汪洋氏に代わって、国内メディア規制やインターネットの規制を担当してきた劉雲山・党中央宣伝部部長(65)の名前が入っている。

香港科技大学の政治学者、デイヴィッド・ツヴァイク氏は「胡錦濤・国家主席が、汪氏は改革派すぎる、急激な変更にはリスクが大きすぎると考えたのではないか」と指摘。ただ、改革の必要性を考慮したバランスの取れた陣容であり、「かなり早いペースで変化が進むだろう」との見方を示した。政治改革よりも経済改革のほうが早く進む公算が大きいという。

候補者名簿には他に、李源潮・党中央組織部長(61)、解任された薄氏に代わって重慶市党委書記に就任した張徳江副首相(65)、張高麗・天津市党委書記(65)の名前が掲載されている。改革派としてのイメージよりも、党内で人脈を築いてきたイメージが強い。

ただ、各氏が政治改革にどの程度意欲的か判断するのは困難だ。現時点で自らの方針を公言すれば、候補者自身のリスクになる恐れがあるためだ。ただ、王岐山、張高麗の両氏は金融改革に前向きとみられている。

関係筋によると、候補者名簿に掲載された人物の大半は、党内で大きな影響力を持つ江沢民・前国家主席や胡錦濤・国家主席と近い関係にある。

ある関係筋は「3氏による集団決定だが、党の長老には拒否権がある」と述べた。

人選の最終調整は、11月1日に開催する第17期中央委員会第7回総会(7中総会)で行われる可能性が高い。共産党大会は11月8日に開幕する。

今回の候補者名簿に名前はないが、依然として指名される可能性があるのは、汪洋氏のほか、女性の劉延東・国務委員(教育、科学技術、体育担当、66)、兪正声・上海市党委書記(67)など。

*情報を追加して再送します。

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