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米大統領選に備えるマーケット、円安でも日本株は弱含み

[東京 5日 ロイター] 米大統領選をあすに控え、各マーケットはポジション調整を進めている。米雇用改善はオバマ大統領の優位に働くとの見方があるものの、支持率は依然きっ抗。結果が読めないなか、市場でも利益確定以上の積極的な動きは乏しい。対ドルで円安が進んでいるが、日本株は海外勢の売りなどで弱含みの展開となっている。

11月5日、米大統領選をあすに控え、各マーケットはポジション調整を進めている。写真は東京証券取引所のロゴ(2012年 ロイター/Issei Kato)

<依然高い米住宅の乗数効果>

住宅市場の回復が米経済に大きく波及していることが10月米雇用統計で明らかになった。住宅建設の回復で、建設業の雇用者数は8月の0.3万人増、9月の0.2万人増から1.7万人増に加速。また住宅ローンの回復を背景に金融取引業の雇用者も4000人増と増加基調を維持した。

米国内総生産(GDP)に占める住宅投資の比率はリーマン・ショック前の6%程度から2%程度にまで低下してきており、10%増加しても0.2%程度の押し上げ効果しかないが、間接的な経済押し上げ効果は依然大きいことがあらためて示された。新築や中古を問わず住宅販売が伸びれば、家電や家具など消費の波及効果が大きいだけでなく、住宅価格の上昇は住宅バブル崩壊で傷んだ家計のバランスシート調整も促す。

また米個人消費の堅調さも住宅価格の回復が背景だ。小売業の雇用者は8月の1.8万人増、9月の2.7万人増に続き、10月は3.6万人増と伸びが加速。米個人所費の増加は貯蓄率の低下を伴っているが、「住宅価格が上昇し、家計のバランスシート調整も進ちょくしてきたことが貯蓄率低下の背景であり、ネガティブに受け止める必要はない」(外資系証券エコノミスト)との見方が出ている。米GDPの7割を占める個人消費が底堅さを維持すれば、米経済の大崩れの可能性は低くなる。

三菱UFJ投信・戦略運用部副部長の宮崎高志氏は「過度なバランスシート調整は一巡したようだ。企業サイドは弱いが、『財政の崖』への懸念が払しょくされれば設備投資や雇用を再開するとみられる。そうなれば新興国からの米国向け輸出も増え、景気は改善方向に向かうのではないか」との見方を示す。

<株売りは利益確定の範囲内>

ただ、前週末の米株市場では、堅調な米雇用統計にもかかわらず、ダウ.DJIは139ドル安で引けた。米雇用改善は大統領選に向けてオバマ氏に追い風とみられており、大きな政府や金融規制強化を志向する現大統領の再選は米株市場にネガティブとの見方がある。

第一生命経済研究所・首席エコノミストの嶌峰義清氏は「オバマ大統領が勝利する場合は、議会運営や『財政の崖』問題の推移を見守らざるを得ず、為替も円安には進みづらいだけに、日本株は米国要因だけでは動きづらい展開が見込まれる」と話す。

ただ、マーケットがオバマ大統領の勝利を本格的に織り込み始めているわけではない。前週末の米株安は「米大統領選の不透明感や商品市況安などで利益確定売りが進んだだけ」(米系証券)とされ、あくまでポジション調整の範囲内という。

全米の投票予定有権者3805人を対象にオンライン上で実施され4日公表された最新のロイター/イプソス調査によると、選挙戦最終盤のオバマ大統領支持率は48%、共和党のロムニー候補の支持率は47%と、依然ほぼきっ抗している。

前場の日経平均.N225は反落。一時9000円を割り込んだ。10月米雇用統計を受けたドル高/円安が下支え要因になっているものの、米大統領選挙を控え全般に様子見気分が強い。「米株安を受けて海外勢の新規の売りも出ていたが、大統領選と国内決算を控えて基本的には様子見」(外資系証券トレーダー)という。

シティグループ証券チーフエコノミストの村嶋帰一氏は「マクロ経済指標の数字が多少変わったからといって、自分の投票行動を変える人が多くなるとは思えない。10月米雇用統計がそれだけで大統領選に与える影響は小さいだろう」と指摘。また、どちらの候補が勝ったとしても、景気が不安定な中では「財政の崖」や金融政策への対応をドラスチックに変えるのは難しく、マーケットの反応も限定的ではないかとの見方を示している。

(ロイターニュース 伊賀大記:編集 山川薫)

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