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東芝が次世代メモリー、スマホ向けプロセッサ消費電力3分の1に

12月10日、東芝は、スマートフォンやタブレット端末などに搭載するモバイルプロセッサ用キャッシュメモリ向けに、低消費電力を実現した新方式の不揮発性磁性体メモリーの基盤技術を開発したと発表した。都内の家電店で5月撮影(2012年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 10日 ロイター] 東芝6502.Tは10日、スマートフォン(多機能携帯電話=スマホ)やタブレット端末などに搭載するモバイルプロセッサ用キャッシュメモリ向けに、低消費電力を実現した新方式の不揮発性磁性体メモリー(STT―MRAM)の基盤技術を開発したと発表した。事業化などの計画は未定。今後、実用化に向けて研究開発を加速する方針。

急速に普及しているスマホなどは高機能化が進むにつれ、消費電力が増加しており、キャッシュメモリの大容量化もその大きな要因の1つ。外でも使用するスマホには長時間のバッテリー駆動が必要な中、高機能を維持しつつ消費電力も抑えることが課題。今回の開発はその課題解消に向けた一歩となる。

新型STT―MRAMによるキャッシュメモリを搭載したプロセッサ上でソフトを動作させた時の消費電力は、標準的なモバイルプロセッサ(SRAM)と比べて約3分の1に低減できた。従来品では省電力化と動作速度向上の両立が実現できなかったが、新開発品では記憶素子の材料や構造を工夫することで消費電力を下げながら同時に動作速度を上げることに初めて成功、動作時の電力消費量を、これまでに報告されている従来品の約10分の1に低減した。また、従来品には電力消耗の増加を招くメモリから漏れ出す電流の通路(パス)があったが、今回はこの通路の無いメモリ回路設計に改良した。

今回の研究開発は、独立行政法人の新エネルギー・産業技術革新機構(NEDO)の「ノーマリーオフコンピューティング基盤技術開発」プロジェクトの一環として実施。同プロジェクトにはローム6963.OSなども参加しており、2012年度の予算は8億7000万円。今回の成果は東芝独自のもので、同社と共同開発を進めている韓国のSKハイニックス000660.KSは関わっていないという。

STT―MRAMは電源を切ってもデータが消えない不揮発性が特徴。高速・大容量だが、データ保持には通電が必要なDRAM(随時読み出し書き込みできる半導体メモリー)に対し、STT―MRAMは停電時でもデータが消えない上、DRAM並みの書き換え回数、大容量、高速性を兼ね備える。微細化の限界も近づいているDRAMに代わる次世代メモリーとしてSTT―MRAMは注目されており、韓国サムスン電子005930.KSなど多くの企業が研究開発を進めている。

(ロイターニュース 白木真紀)

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