[ブリュッセル 21日 ロイター] 欧州委員会は21日、韓国サムスン電子005930.KSが独占的な地位を乱用して、携帯電話の利用に不可欠とされる特許をライバルの米アップルAAPL.Oに使用させないよう不当に働き掛けていたとする暫定判断を下した。
問題となっているのは、欧州連合(EU)の第3世代携帯電話(3G)通信規格「UMTS」に関連するサムスン電子の標準必須特許。欧州委によると、欧州で採用された当時、サムスン電子はライバル企業に対して、特許のライセンスを公正に供与する考えを示していた。
ところがサムスン電子は2011年から、アップルが問題の特許を使用しないよう複数のEU加盟国で差し止めの請求を開始したとしている。欧州委は今年1月に調査を開始した。
欧州委のアルムニア競争政策担当(副委員長)は「著作権保護はEUの重要な礎だが、業界標準を確立する際には乱用されるべきではない」との立場を示した。
サムスン電子はEUの判断を精査しているとし、「当社がEUの競争法に則って行動しているとの判断を欧州委が下すと確信している」とのコメントを発表した。
同社は欧州委の判断に対して返答するとともに、規制当局による審問を要請することが可能。
欧州委が最終的にサムスン電子の行為が法に抵触すると判断した場合、サムスン電子は年間売上高の最大10%の制裁金が課される可能性がある。
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