for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up

ドル1年8カ月ぶり85円台、「悪い円安」懸念する声も

[東京 26日 ロイター] 東京外為市場午後3時のドル/円は、午前9時時点に比べ、ドル高/円安の85円前半。日銀金融政策決定会合の議事要旨をきっかけに85円台に乗せたドルは、本邦実需のドル需要も手伝って、仲値公示後に85.38円と2011年4月以来の高値を付けた。リスクオンの円売りも相場を支えた。

12月26日、東京外為市場午後3時のドル/円は、午前9時時点に比べ、ドル高/円安の85円前半。ソウルで2010年10月撮影(2012年 ロイター/Truth Leem)

前日の海外市場はクリスマス休暇のため休場。この日はシドニー、ウェリントン、ロンドンが休場となっている。

<日銀会合議事要旨>

ドル/円は84.80円―85.38円のレンジで取引された。朝方発表された日銀金融政策決定会合の議事要旨を手掛かりに、85円ちょうどにあったオプション関連の売りをこなし、85円台に乗せた。この日はまた、仲値公示にかけて本邦実需サイドで相当規模のドル不足が指摘されており、「仲値に関連する情報も海外勢のドル買いに拍車をかけたもよう」(邦銀)という。仲値公示を経てドルは一段高となり、85.38円まで上値を伸ばし、昨年4月以来の高値を付けた。

日銀が公表した11月19日、20日開催の金融政策決定会合の議事要旨によると、1人の委員が超過準備への付利撤廃が為替相場に働きかける可能性があるとの認識を示したほか、複数の委員が緩和効果浸透のためにコミットメント文言の変更を提起したことが明らかになった。

このうち1人の委員は実質的なゼロ金利政策と資産買入等基金による金融緩和を、物価上昇率1%を達成するまで期限を明記しないオープン・エンド(無期限)とすると公表文に明記することを提案していた。

<オプションバリア>

ドル/円は節目の85円を突破したことで、次は85.50円付近のオプションバリアを突破できるかどうかが焦点となっているが、市場では「85.50円を上抜けすれば、ドル高に一段と弾みがつきそうだ」(外銀)との見方が出ている。

ただ、ほぼ一本調子で上昇してきただけに、参加者の間では「2011年4月6日、7日とこのレベル付近で上値が抑えられた。この付近にはボリンジャーバンドの上限があるほか、オプションバリアもあり、ここで跳ね返されると、ダブルトップが意識される中で、いったん円の買い戻しが強まる可能性がある」(外資系証券)と警戒する声も出ていた。

11月半ばから続くドル高/円安の潮流の中で「レベル感から(ドルを)売ったトレーダーは全員踏み上げられてきた」(前出の邦銀)とされ、本格的な調整が近々あるのか、それがどのようなきっかけで到来するのか注目されている。

<『悪い円安』警戒も>

リフレ政策を掲げる安倍内閣の誕生を先取りする形で、ドル/円は上昇圧力を強めているが、市場では「悪い円安」に対する警戒感も出ている。

みずほ証券チーフマーケットエコノミストの上野泰也氏は26日付のリポートで、白川方明日銀総裁が23日放映のNHK番組の中で「デフレ克服と通貨の信認確保の両方を達成するのはナローパス、狭い道だ」と語ったことに触れ、「現在進んでいる円安局面の本質を的確に指摘した言葉ではないだろうか」と指摘。現状について「インフレ期待を作り上げることが政治的に最優先される流れの中で、円という通貨の信認が崩れる方向へと日銀の金融政策が押しやられようとしているがゆえに、円安が進行している」との認識を示し、「今回の円安は、リスクオフゆえの行き過ぎた円高の是正という範ちゅうを超えて、円という通貨への信認が傷付くことによる『悪い円安』へと、その性格を徐々に変えつつあるのではないか」と警鐘を鳴らした。

(ロイターニュース 志田義寧)

for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up