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米「財政の崖」を回避、下院が法案可決

[ワシントン 1日 ロイター] 米下院は1日、減税失効と歳出の強制削減が重なる「財政の崖」回避に向けた法案を賛成257、反対167の賛成多数で可決した。

1月1日、米下院は、減税失効と歳出の強制削減が重なる「財政の崖」回避に向けた法案を賛成257、反対167の賛成多数で可決した。写真はオバマ大統領。ホワイトハウスで先月撮影(2013年 ロイター/Jonathan Ernst)

上院は1日に同法案を可決済み。オバマ大統領の署名を経て成立となり、財政の崖をめぐる与野党の攻防に終止符が打たれることになる。

法案が上下両院を通過したことにより、崖からの転落回避が可能になったが、今後2カ月は先送りした問題をめぐり、議会で再び激しい攻防が繰り広げられるとみられている。

法案には、富裕層の増税、中間層の減税恒久化などが盛り込まれた。

厳密には、1月1日の午前零時に財政の崖から転落したことになるが、今回議会を通過した法案を1月1日から遡及的に適用する。

オバマ大統領は近く法案に署名する方針を示している。

大統領は、下院の採決後、今後の審議では「このような人を震え上がらせる事態が起きない」ことを期待していると表明。債務上限問題では今回のような瀬戸際戦術なしに上限引き上げが決まることを望むと述べた。

増税に抵抗していた共和党は一時、上院を通過した法案の修正を検討したが、十分な支持が集まらず、修正を断念。方針転換を迫られた。

ベイナー下院議長など、下院の共和党指導部は議場で沈黙を守ったまま。議長は法案を支持したが、採決では多くの共和党幹部が反対に回った。

議長は4日、新議会での下院議長再任を求める見通しだが、今回の混乱が再任問題に影を落とす可能性もある。

世論調査では、財政の崖を回避できなければ、共和党の責任だとの回答が目立っていた。

<年収45万ドル超の世帯が増税>

今回の法案可決により、年収45万ドル超の富裕層世帯が増税となる。富裕層は税額控除にも上限が設けられる。

中間層・低所得層の減税と、一部の優遇税制は恒久化される。

ただ、給与税減税は失効し、勤労者1人当たり最大で年間2000ドルの負担増となる。

法案には強制的な歳出削減(1090億ドル規模)開始の2カ月先送りも盛り込まれた。

<アジア株式市場が上昇>

2日のアジア市場では、下院の法案可決を受け、株やコモディティが上昇。

外為市場では、円が対ドルで87.17円に下落し、2010年7月以来の円安水準を付けた。ドルは対ユーロで1.3261ドルに下落。ドル指数.DXYは0.4%低下している。

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