[ロンドン 23日 ロイター] 生物兵器に転用されかねないとの懸念から、一時中断されていた強毒性の「H5N1型」鳥インフルエンザの研究が、再開されることになった。
日本や米国など世界の科学者らが23日に発表したもので、それによると今後の研究は、最も安全性が高いとされる場所でのみ行われることになる。オランダの研究施設で再開されることが決まっているが、米国や同国が資金提供する研究施設では、今のところ再開のめどが立っていない。
鳥インフルエンザをめぐっては、米国のウィスコンシン大学などの研究チームが、哺乳類同士でも感染する仕組みを解明。理論上はヒトからヒトに感染する可能性もあり、米政府の化学諮問委員会が生物兵器への転用を懸念したことなどを受け、科学者らは昨年1月から研究を自粛していた。
研究再開にあたって世界の科学者40人は共同で声明を発表し、将来起こり得るパンデミック(世界的大流行)に備えるためにも、H5N1に対する理解を深めることが必要不可欠だと強調した。
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