[東京 12日 ロイター] 麻生太郎財務相は12日夜、財務省内で為替に関するG7声明を発表し、金融緩和の強化など日本のデフレ不況対策が為替を目的としていないことがG7各国から認識されたことに意義がある、との考えを示した。
G7声明は、2月15日、16日にロシアで開催される20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議を前に、為替市場に対するG7の統一見解を示すことで、いたずらな批判合戦を回避する狙いがあったとみられる。
G7が為替について声明を発表するのは2011年9月以来。声明では「日本を含むG7各国の財政・金融政策は為替レートではなく、国内の市場や経済などの目的を達成することに向けられてきていること、今後ともそうしていくこと」を再確認した。 また「為替レートは市場において決定されるべき」とし、「為替市場における行動に関して、緊密に今後とも各国が協議していくべきとする従来からのコミットメントをG7各国が再確認した」ことを明らかにした。
安倍政権発足後の大胆な金融緩和によって円安が進行。海外からは金融緩和による通貨安競争だとの批判が絶えなかった。
麻生財務相は今回のG7声明は「日本がデフレ不況対策としてやったいろいろな政策が、為替相場を使っているのではないか等の話があったが、そういうことはないということを各国から正しく認識されたことに意味がある」と声明の意義を強調した。
G7声明発表に至った経緯については「G20で為替市場の動きや各国の財政・金融政策がテーマになることが予想されるが、これに先立ってG7としての統一的な考え方を示すべきという観点から発表することになった」と説明、G20で各国が非難の応酬になることを避ける狙いがあったとした。
日本としても「きちんと発言し、不必要に世界の経済や金融に不安定要素を与えることは断固避けたい。そういう役目は果たさなければならない」と狙いを強調した。
(ロイターニュース 吉川 裕子:編集 山川薫)
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