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アングル:高まる「隕石災害」への意識、落下阻止にレーザー照射も

[モスクワ/ウィーン 18日 ロイター] 隕石(いんせき)の地球落下を阻止する方法はあるのだろうか───。ロシア中部ウラル地方に隕石が先週落下し、同じ日に直径45メートルの小惑星が地球に史上最も接近したのを受け、「隕石災害」への関心がにわかに高まっている。

2月18日、ロシア中部ウラル地方に隕石が先週落下し、同じ日に直径45メートルの小惑星が地球に史上最も接近したのを受け、「隕石災害」への関心がにわかに高まっている。写真は15日撮影のビデオ映像から(2013年 ロイター/OOO Spetszakaz)

1000人を超える負傷者が出たロシアの隕石落下では、ロゴジン副首相(宇宙開発・軍需産業担当)が「地球に脅威を与える飛行物体を検知し、危険を排除するシステムを構築しなくてはならない」と語るなど、危機意識が強まっている。

欧米の科学者らの間では、隕石の地球落下を阻止する手段として、宇宙船を衝突させたり、太陽光線で蒸発させたり、核爆弾で吹き飛ばすなど、一見SFの世界のような方法が研究されている。ただ、核ミサイルの可能性についてロゴジン副首相は、ロシアにも米国にも現時点で隕石を撃ち落とす能力はないと語っている。

そうした中、欧州連合(EU)が資金援助するコンソーシアム、NEOシールド(地球接近天体からの防衛)は18日、ウィーンで会合を開催し、隕石の落下を防ぐいくつかの方法について概要をまとめた。その中には、隕石の軌道をそらすために巨大宇宙船をぶつける方法などが含まれ、核爆発による隕石衝突の回避は最後の手段だと定義されている。

また、地球接近天体への対応を話し合う国連の「アクションチーム」は、国際的な隕石警告ネットワークなどの設置を提案。スミソニアン天体物理観測所が運営する小惑星センター(MPC)のティモシー・スパー所長は、飛行物体の検知を今より早めるため、宇宙赤外線システムを使った「迅速な全天探索能力」が必要だと訴えている。

一方、米航空宇宙局(NASA)や欧州宇宙機関(ESA)は、大規模避難計画の策定など、隕石落下被害を最小限に食い止めるための準備も必要だと指摘。ESAのデトレフ・コスチュニー氏は、現在では、隕石落下が予想される地域を数時間で特定することが可能だとし、将来的には、当局が屋内退避や窓ガラスから離れるよう指示できるようになるとの見方も示した。

<レーザーで隕石破壊>

カリフォルニア州では、太陽光をレーザーに変換し、それを使って隕石を破壊するか、軌道を変えるシステムの研究が行われている。同システムについて、カリフォルニア工科大学サンルイスオビスポ校のゲーリー・B・ヒューズ教授は「スタートレックから出てきたような現実離れしたアイデアではない」とし、「部品のすべてはほとんど既存のものであり、大規模化が課題であるものの、基本的要素はそろっており、準備はできている」と語った。

また、ハワイ大学の天文学者チームは、地球に衝突する恐れのある危険な小惑星の発見を目的に、小型望遠鏡ATLASを使ったシステムを開発している。同システムにより、将来的には直径50ヤード(約45メートル)の小惑星なら地球到達の1週間前、直径150ヤード(約137メートル)の小惑星なら3週前に警告を出すことが可能になるという。

天文学者ジョン・トンリー氏は「(1週間や3週間は)地域住民の避難や建物などインフラの保護、隕石の洋上落下による津波の危険を警戒するには十分な時間だ」と語っている。

ただ、ロシアの専門家からは、めったにない隕石落下に備える早期警戒システムの構築は、費用対効果に疑問が残るとの声も聞こえる。ロシアで今回と同等規模の隕石落下が確認されているのは、1908年までさかのぼる。

ある研究者は、システム構築には20億ドルかかると試算。ロシア宇宙庁(ロスコスモス)が発行する宇宙雑誌の編集者イゴール・マリニン氏は、ロイターの取材に「(隕石の)発見も大事だが、衝突回避はまた別の問題だ」と語った。15日の隕石落下で負傷者が約1200人出たことについては、その大半が衝撃波によって割れたガラスによる切り傷だったとし、「自動車事故やがんで毎年命を落とす人の数に比べれば、相対的に影響は小さい」との考えを示した。

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