[ベルリン 3日 ロイター] 欧州委員会のレーン委員(経済・通貨問題担当)は、キプロスを含めたユーロ圏全加盟国がシステム上重要だとし、キプロスのユーロ圏離脱を警告した。
独週刊誌シュピーゲルが3日伝えた。
同委員は「欧州連合(EU)の主要国出身者でも、ユーロ圏の各加盟国がシステム上関係していることは認識しているはずだ」と発言。小さな島国であるキプロスがユーロ圏にシステム上関係しているかどうかに疑問を呈したショイブレ独財務相を暗に批判した。
同委員はさらに「キプロスが無秩序に破たんすれば、それがユーロ圏からの離脱につながる可能性は高い」と指摘。17カ国からなるユーロ圏を維持するために全力を尽くすという加盟国の約束が金融市場を落ち着かせたとし、この成功を危機にさらすべきではないと述べた。
4日のユーロ圏財務相会合ではキプロス向け支援について話し合われる予定。キプロスは国内銀行の資本増強に80億─100億ユーロ、債務返済と行政運営に70億ユーロを必要としている。
キプロス救済方法をめぐっては欧州の間で意見が割れており、ドイツなど一部の国は銀行預金者に部分的なコスト負担を求める一方、そのような措置は取り付け騒ぎを引き起こすと懸念する国は多い。
独誌によると、レーン委員は、欧州委員会はキプロスのヘアカット(債務元本の減免)あるいはキプロスの銀行や預金者に損失負担を強いることには反対すると述べた。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」