[東京/サンフランシスコ 8日 ロイター] 米ネバダ州のカジノ規制当局が近くユニバーサルエンターテインメント6425.OSの岡田和生会長と取締役3人を呼び、聴取をすることがロイターの取材で明らかになった。
フィリピンでカジノリゾートの建設を計画するユニバーサルは、同国カジノ規制当局首脳の側近に巨額の資金を支払っており、同社が娯楽関連事業の免許を持つネバダ州の規制当局は調査を進めている。
複数の関係者によると、呼ばれているのは岡田会長のほか、取締役の徳田一、麻野憲志、澤田宏之の各氏。聴取は非公開で3月13日、14日に予定されている。
ネバダ州でカジノ運営などの免許を持つ事業者を監督する同州カジノ規制委員会(NGCB)は、聴取の予定の有無についてコメントを拒否。ユニバーサルの広報担当者もコメントを拒否した。4人とも、NGCBから不適切な行為があったとは指摘されていない。
ユニバーサルをめぐっては、同社からフィリピン娯楽賭博公社(PAGCOR)の会長の側近に4000万ドルが流れていたことなどをロイターが報じている。これに対しユニバーサルは、フィリピンの事業は「法令を順守する体制で遂行している」とコメント。昨年末、ロイターを提訴したと発表した。
複数の関係者によると、米国とフィリピンの捜査当局もこの資金について調べを進めている。
ユニバーサルの岡田会長は昨年来、ビジネスパートナーだった米カジノ大手ウィン・リゾーツWYNN.Oのスティーブ・ウィン会長と、互いに不正行為があったと訴訟合戦を繰り広げてきた。ウィンは2月22日の臨時株主総会で岡田氏を取締役から解任する議案を諮る予定だったが、同総会前に岡田氏自ら辞任した。岡田氏はウィン側の主張に反論しており、ウィンが岡田氏から自社株を大幅なディスカウントで強制的に買い戻したことに対し、係争を続ける姿勢を示している。
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