[ソウル 13日 ロイター] 韓国のサムスン電子005930.KSが14日にニューヨークで公開するスマートフォン(多機能携帯電話、スマホ)の新機種「ギャラクシーS4」の成功は、供給のバックアップ体制が整っているか次第で決まるとみられる。
一部のアナリストは、新機種の初めの1カ月の販売台数が1000万台を突破すると予想しており、主要部品の調達に多少の遅れが生じても、損失は大きいかもしれないとしている。
サムスン電子の「ギャラクシーS3」は、ちょっとした製造段階の混乱で、当初のほんの1カ月の間に約200万台の販売機会を失うことにつながったという経緯がある。
HMCインベストメント・アンド・セキュリティーズのアナリスト、グレッグ・ロウ氏は、例え供給に混乱があったとしても極めて短期的なもので、サムスン電子は混乱を回避するためのバックアップ体制を整えており、S4に対する期待はS3の時よりも大きいと述べた。
アナリストはまた、サムスン電子が新機種を宣伝し過ぎるリスクについても警告している。新機種がわずかに向上したものにすぎなければ、消費者の失望を誘うためだ。
サムスン電子は主力のスマホであるギャラクシーシリーズの新モデル公開の場として、米国を選んだ。これには重要な米市場でのリードを取り戻す狙いがある。
サムスン電子は昨年、米国で携帯電話の広告に過去最高となる4億ドルを費やした。にもかかわらず、12月までの四半期にはアップルAAPL.Oがサムスン電子を携帯電話販売で初めて追い抜いていた。
世界のスマホ市場が徐々に勢いを失いつつある中で、主力機種から多くの利益を稼ぎ出すサムスン電子がかける思いは特に強い。
サムスン電子のモバイル部門を統括するJK・シン氏は、15日にソウルで開かれる自身初の株主総会を欠席して、ラジオシティ・ミュージックホールで開かれるイベントに参加する。
SKセキュリティーズのアナリスト、David Choi氏は、先行機種や競合機種をほぼすべての側面で上回るような強烈なスマホである必要があると指摘、そうでなければ、サムスン電子は他社がたどったような道をたどることになり、高まる一方の期待に応えることができない可能性があると指摘している。
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