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貿易収支は4月として過去最大の赤字、輸出は円安でプラス維持

[東京 22日 ロイター] 財務省が22日発表した4月貿易統計速報によると、貿易収支(原数値)は8799億円の赤字となり、4月としては過去最大の赤字幅を記録した。

5月22日、財務省が発表した4月貿易統計速報によると、貿易収支は8799億円の赤字となった。赤字は10カ月連続。都内の港湾施設で4月撮影(2013年 ロイター/Issei Kato)

輸出が円高修正の効果でプラスを維持したが、液化天然ガスなどの輸入が依然高水準で推移したことが影響した。赤字は10カ月連続で、これは1979年7月から1980年8月まで14カ月連続で赤字となって以来のこと。

<輸出復調を確認か、金額ベースでは円安で2カ月連続増・数量ベースの減少幅も縮小>

輸出は前年比3.8%増の5兆7774億円で、2カ月連続で増加した。財務省では「少なからず円安の影響がある」とみており、円高修正による輸出押し上げ効果が浸透してきた。数量ベースでも4月は前年比5.3%減で、2月の同15.8%減、3月の9.8%減と比べ減少幅が縮小。海外経済の持ち直しなども影響し、輸出の復調が確認されつつある。

品目では、有機化合物(40.9%増)、自動車(6.5%増)、鉱物性燃料(58.6%増)が増加した。一方、船舶(51.2%減)が減少した。

為替レート(税関長公示レート平均)は1ドル96.01円で、対前年比16.6%の円安だった。

<対米輸出は2008年10月以来の水準>

地域別では、米国向けは好調だったが、欧州連合(EU)向けは引き続き不調で、中国向けは3カ月ぶりに増加に転じた。

このうち、米国向け輸出は前年比14.8%増の1兆1013億円と4カ月連続で増加した。2008年10月(1兆2065億円)以来の水準で、3カ月連続で1兆円の大台を維持。自動車輸出がけん引した。

中国向け輸出は同0.3%増で、3カ月ぶりに増加した。有機化合物(39.2%増)が増加する一方、金属加工機械は55.7%の大幅な減少となった。自動車も13.7%減少した。輸入は増勢傾向を維持し、4月は過去最大の輸入額となった。

一方、欧州連合(EU)向け輸出は前年比3.5%減で、19カ月連続で減少した。

<輸入は6カ月連続で増加>

輸入は同9.4%増の6兆6573億円。6カ月連続で増加した。輸入金額は4月としては過去最高だった。増加品目は、液化天然ガス(17.9%増)、衣類・同付属品(25.6%増)など。

輸入原油単価は前年比2.1%上昇の6万7120円/キロリットルで、ドルベースでは同12.5%低下の111.1ドル/バレルだった。

<赤字は予測上回るが為替市場の反応見られず>

貿易赤字は市場予測を上回ったが、為替市場などは特に反応していない。

先行きについて財務省では「為替レートは円安傾向だが、海外経済の下振れリスクには留意する必要がある」(財務省筋)と指摘しながら、予見はできないとしている。

ロイターが民間調査機関を対象に行った調査では、予測中央値は6211億円の赤字。輸出は前年比5.9%増、輸入は同6.7%増だった。

(ロイターニュース 吉川 裕子;編集 山川薫)

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