[17日 ロイター] - 米スプリント・ネクステルS.Nは17日、米ディッシュ・ネットワークDISH.OによるクリアワイヤCLWR.Oの株式公開買い付け(TOB)阻止を目指し、ディッシュを提訴した。ソフトバンク9984.Tを含めた一連の買収合戦がエスカレートする様相を呈してきた。
スプリントは声明で、ディッシュの提案はデラウェア州法に違反していると主張。クリアワイヤの株主を「欺こうと」して周波数獲得に向けたスプリントの動きを妨害しようとしているとし、デラウェア州の衡平法裁判所で訴訟を起こした。
現在スプリントをめぐっては、ソフトバンクとディッシュが買収合戦を展開中。一方、ディッシュとスプリントはクリアワイヤ買収を競っている。
スプリントはクリアワイヤも訴訟の対象としている。
ソフトバンクは先週、スプリント買収提案額を201億ドルから216億ドルに引き上げた。これにより、ソフトバンクの出資比率は約70%から約78%に引き上げられる見通し。スプリントは、ディッシュの最終提案提示期限を18日としている。
スプリントによる提訴について、ディッシュの広報担当者Bob Toevs氏は「訴えの内容を精査し、対応を検討したい」と述べた。
クリアワイヤの広報担当者は、係争中の訴訟についてコメントしないとしている。
クリアワイヤの取締役会は先週、すでに主要株主であるスプリントの提案ではなく、ディッシュのTOBに応じるよう株主に勧告した。
スプリントはソフトバンクの新提案について、25日の株主総会で投票を行う予定。
スプリントの主要株主である米投資会社ポールソンは、ソフトバンクの提案を支持する意向を示している。
スプリントによる提訴は米株式市場の引け後に発表された。
17日は、スプリント株が0.1ドル安の7.22ドル、クリアワイヤ株が横ばいの4.63ドルでそれぞれ取引を終えた。
*内容を追加して再送します。
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