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焦点:パーティーを終えるFRBと中国政府、実体経済への影響は

[24日 ロイター] - 世界的な金融危機とその後の景気停滞期を通じて世界経済を支えてきた米連邦準備理事会(FRB)と中国政府が、支援から手を引き始めた。

6月24日、世界的な金融危機とその後の景気停滞期を通じて世界経済を支えてきた米FRBと中国政府が、支援から手を引き始めた。写真はFRBのバーナンキ議長。19日撮影(2013年 ロイター/Jason Reed)

FRBは先週、来年半ばまでに量的緩和を終える可能性を指摘。これまで資金ひっ迫時に流動性を供給してきた中国人民銀行(中央銀行)も、過剰与信対策のため流動性の供給を縮小、国内短期金利の急騰を招いた。

こうした動きを受け、今後、企業・消費者マインドが大幅に悪化し、実体経済に悪影響が出るかに注目が集まるとみられる。

TDセキュリティーズの金利リサーチ責任者、エリック・グリーン氏は「フリーマネーが続くことを前提とした取引環境が見直されている。(米量的緩和の解除見通しで)積極的な買い手がいなくなった」と指摘。

中国の短期金利急騰については、「影の銀行(シャドーバンキング)」の抑制につながるとの見方が多いが、景気の減速感が再び強まるなか、中銀が対応を誤れば、全面的な銀行危機に発展しかねないとの懸念が出ている。

フィッチ・レーティングスのシニアディレクター、シャーリーン・チュー氏は「銀行システム内の返済リスクが高まる。意図せざる結果を招く恐れがある」と指摘する。

<ブラード総裁の警告>

中銀が対応を誤まるリスクについては、ブラード米セントルイス地区連銀総裁からも警戒の声があがっている。

ブラード総裁は、バーナンキ議長が量的緩和の縮小計画を先週公表したことについて、時期が早過ぎたと批判。「より慎重なアプローチ」が必要だったとの認識を示した。

量的緩和の解除には前例が少なく、投資家が警戒感から資金を引き揚げれば、市場の混乱が今後数カ月続く恐れがある。金利上昇や株価下落が進めば、実体経済に悪影響が出かねない。

市場では、バーナンキ議長の手腕を高く評価する声も少なくないが、ウェルズ・ファーゴ/ギャラップ・インベスターの投資家調査によると、FRBが金融緩和の解除に成功するとの回答は全体の46%、緩和解除が経済に深刻な打撃を与えるとの回答は43%と、投資家の見方はほぼ真っ二つに分かれている。

一方の中国では、人民銀行が短期金利の急騰を容認。一部金融機関の翌日物借入れ金利は一時25%まで急騰し、欧米市場では大手銀行2行が人民銀行から緊急融資を受けたとのうわさが流れた。

その後、うわさは否定され、金利急騰にも歯止めがかかったが、中国では1─5月の融資総量が前年同期比52%増加しており、今週の米投資週刊誌バロンズは「忍び寄る中国の信用危機」という見出しを掲げた。

近年、欧米の大企業は中国市場への依存度を高めており、中国経済が変調をきたせば、欧米企業が打撃を受ける可能性もある。

トムソン・ロイターの調査によると、米S&P総合500種指数採用企業の第2・四半期決算は、前年同期比3.2%の増益にとどまる見通し。第2・四半期の利益予想を下方修正した企業は上方修正した企業の6.5倍と、2001年以来の高倍率となっている。

(Jonathan Spicer記者;翻訳 深滝壱哉 編集 山川薫)

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