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インタビュー:安倍政権は前政権より運用「積極派」=GPIF理事長

[東京 26日 ロイター] - 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の三谷隆博理事長は26日、ロイターとの単独インタビューで、金融・資本市場の動向について、なお日本株上昇や円安進行の余地はあると指摘、国債市場に関しては「日銀の国債購入が進めば、今よりは安定するのではないか」と述べた。

6月26日、GPIFの三谷理事長は、金融・資本市場の動向について、なお日本株上昇や円安進行の余地はあると指摘、国債市場に関しては「日銀の国債購入が進めば、今よりは安定するのではないか」と述べた。写真は2010年9月、都内で撮影(2013年 ロイター/Yuriko Nakao)

GPIFの運用姿勢については、安倍晋三政権が前政権よりもリスク資産選好を求める「積極派」である、との認識を示した。

三谷氏は、2014年度(第2期)までの運用割合を計画途中で変更したことについて「いまの中期計画では市場に大きな変動があったときには見直しすべきかどうか検討することになっており、基本ポートフォリオそのものは『暫定的』なものだった」と説明。昨年10月に会計検査院から「定期的に検証すべき」と指摘され、厚生労働省からも同様の要請を受けたため、「4月から運用委員会で(見直しの)議論をした」と話した。

基本ポートフォリオについて、運用委員から、来年初めに予定されている年金財政再検証の結果との関連を考えるべきだとの声が出たことも明らかにした。しかし、同氏は、「それを待つと(見直しが)かなり先になるため、新しい財政検証が出される前に決着をつけたかった。運用委員会での議論は、想定よりはやく決着した」と述べた。

運用比率見直しの基準は昨年12月末までの相場動向だったが、それ以降、金融・資本市場が荒っぽい動きを見せたことに関連し、同氏は「一時的にボラティリティ(変動率)が高まっているだけなら(構成比率は)変更しない」と明言した。

三谷氏は、日本株の動向について「日本経済がこれからある程度よくなっていくことを考えれば、1万3000円前後で止まるようなものではない。もう少し上昇してもまったくおかしくはない」との見解を示した。為替相場については米金利が徐々に上昇している環境を考えれば、もう少し円安基調が続く可能性があると指摘した。

乱高下を繰り返す国債市場に関しては「日銀の国債購入が進めば、今よりは安定するのではないか」と予想した。

政府が、公的・準公的マネーの運用見直しで有識者会議を設置することに関しては「どういう結論になるかわからないが、静観するしかない」とした。そのうえで「常にわれわれの運用に対しては安全派と積極派がいて、今の政府は多少、積極派だ」と述べ、GPIFの運用について安倍政権は前民主党政権よりも収益性を重視した運用を期待している可能性を指摘した。

運用収益を上げるのにインフラやプライベートエクイティへの分散投資を導入すべきとの声には、「分散投資そのものに違和感はないが、その場合は体制整備も欠かせない」と強調。「独立行政法人では人員を増やせず、給料も『公務員並み』ではスキルを持った人材を確保できない」と続けた。

新たな計画では、国内債券を従来の67%から60%に減らす一方、国内株式を11%から12%に、外国債券を8%から11%に、外国株式を9%から12%に、それぞれの割合を高めた。

株などリスク資産の割合をさらに高める必要があるかどうかについては「安全性を損なわない範囲で運用益が大きければそれに越したことはない」とする一方、「リスクをどんどんとっていいとは思わない。リスクプロファイルを大きく揺るがすようなことはやるべきではない」と語った。

政府が掲げる物価安定目標2%の達成については「個人的には厳しい目標だと思う」との見解を示した。石油価格急騰などの特殊要因を除けば、バブル以降に2%まで物価が上昇した例がないためだ。

三谷氏は、今回の見直しでは、前提となる物価上昇率を1%に据え置いた、としたうえで「向こう4、5年はキャッシュアウト(積立金取り崩し)の状況が続くだろう」との見通しを示した。ただ、足元では「(年金給付への備えとしての取り崩し分)4.7兆円に納付金0.5兆円の計5.1兆円が必要だが、償還分などを差し引くと、さほどキャッシュアウトで神経を使う局面ではない」と語った。

政府が5年ぶりに物価連動国債を発行することに関しては「どんなマーケットになるのか、個人的には関心をもっている」とする一方、「(今年度末までの発行が)6000億円とボリュームが少ない。アクティブ(運用)は投資一任でやっており、投資一任先がどう考えるかにもよるが、現時点では何とも言えない」と述べるにとどめた。

山口貴也、程近文

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