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アングル:アジアの半導体メーカー、米アップル頼み脱却の主役は中国

[ソウル 4日 ロイター] - 東芝6502.Tや韓国のSKハイニックス000660.KSといったアジアの半導体メーカーは、中国で低価格のタブレット型端末やスマートフォン(多機能携帯電話)の需要が高まっているほか、華為技術(ファーウェイ)HWT.ULといった中国のモバイル機器メーカーが成長していることで、これらの恩恵を受けそうだ。

7月4日、東芝や韓国のSKハイニックスといったアジアの半導体メーカーは、中国で低価格のタブレット型端末やスマートフォン(多機能携帯電話)の需要が高まっているほか、華為技術(ファーウェイ)といった中国のモバイル機器メーカーが成長していることで、これらの恩恵を受けそうだ。写真は上海市内の電器店で1月22日撮影(2013年 ロイター/Carlos Barria)

高性能メモリーを搭載したハイエンド機器に対する需要も、これまでのような急成長は見込めないとしても半導体の販売を押し上げるとみられる。

2011年以降、投資が抑制されていたことも背景に、DRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)やNAND型フラッシュメモリーの価格は上昇し始めており、半導体メーカーは価格交渉力がここ数年で最も高まっている。

昨年の前半までは、米アップルAAPL.Oや韓国サムスンだけがモバイル機器に使用されるNAND型フラッシュメモリーの主な買い手で、半導体メーカーの価格交渉力は限定的だった。ハイエンド市場に注力している両社は現在、同市場が飽和状態に近付いていることに伴う成長減速に直面している。

<顧客基盤が拡大>

中国ではより安価なスマートフォンの人気が高く、半導体メーカーがアップルやサムスン電子005930.KS以外に顧客基盤を拡大することにつながっている。

ファーウェイや中興通訊(ZTE)0763.HK000063.SZ、レノボ・グループ(聯想集団)0992.HKといった中国のスマートフォンメーカーが勢力を拡大しており、市場における「アップル・サムスン支配」を崩している。

中国では出荷されるスマートフォンのうち、約70%が1000元(160ドル)以下で販売され、10%が1000─3000元で売られている。超低価格のタブレット型端末も供給が拡大している。

HMCインベストメント・アンド・セキュリティーズのアナリスト、Greg Nho氏は「アップルからの需要が低迷しているにもかかわらず、NAND型フラッシュメモリー価格は、中国の堅調な需要の伸びを主因に上昇している」と指摘。「アップルからの受注規模は価格が振れる大きな要因だったが、中国からの需要がこの変動を相殺する以上の働きを及ぼしている」と述べた。

主にパソコンで使用されるDRAMの価格は、パソコン販売が落ち込んでいるにもかかわらず、今年に入ってから約90%上昇。NAND型フラッシュメモリー市場では需給がひっ迫している。

ZTEのある幹部はメディアに話す権限がないとして匿名を条件に、「消費者は機能をより満載したスマートフォンを求めるようになってきており、われわれは市場で戦うためにそうした機器を求めやすい価格で生産できるようにしなければならない」と述べた。

<投資も拡大>

東芝は2日、半導体のNAND型フラッシュメモリーを生産する四日市工場(三重県四日市市)の第5棟の増設を今年8月末から着手すると発表した。新建屋の建設投資額は300億円弱。竣工は2014年夏の予定。

サムスンは70億ドルをかけて中国にNAND型フラッシュメモリー工場を建設している。

米マイクロン・テクノロジーMU.Oは、会社更生手続き中のエルピーダメモリELPDQ.PKの買収は第4・四半期(6─8月)中に完了するとして、2014年には投資の拡大を計画している。

ただ、大半のメーカーは3次元半導体の登場に備え投資を小規模に抑えている。

マッコーリーキャピタル証券(東京)の調査部門ディレクター、Damian Thong氏は、工場新設計画が進んでいるにもかかわらず、NAND型フラッシュメモリーの需要は引き続き供給を上回ると指摘。「メモリーの価格と利益性は今後12カ月は高水準にとどまる」と語る。

かつては半導体向け投資を積極的に行っていたサムスンは、ここ最近は鳴りを潜めている。

バーンスタインのアナリスト、マーク・ニューマン氏は2日付リポートの中で、「供給過剰の状況をつくりだすことで、サムスンは競合社を寄せ付けなくさせることができた」と指摘。「だが今日、半導体メモリーの低価格戦略は、ハンドセットとタブレットのライバルを支援しているだけだ。そのため、サムスンは半導体メモリーの供給不足と価格上昇への志向を高めている」と指摘する。

サムスンはNAND型フラッシュメモリーの世界市場で首位となるシェア約38%を握る。以下、東芝が28%、SKハイニックスが13%となっている。

( Miyoung Kim記者、執筆協力Sophie Knight in TOKYO and Chyen Yee Lee in HONG KONG;翻訳 川上健一;編集 田中志保)

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