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来週の外為市場はドル・ロングの崩落余地も、FOMCなどに注視

[東京 26日 ロイター] - 来週の外為市場では、米連邦公開市場委員会(FOMC)、第2・四半期の米国内総生産(GDP)、7月の米雇用統計など注目材料が目白押しだ。主要通貨に対するドル・ロングが6週間ぶりの高水準にあるなか、これらの材料が最近の「まったりとしたリスクオンの空気感」に冷や水を浴びせ、積み上がったドル・ロングの一部崩落を促す可能性もある。

7月26日、来週の外為市場では、米連邦公開市場委員会、第2・四半期の米国内総生産、7月の米雇用統計など注目材料が目白押しだ。写真はワシントンのFRB本部。昨年6月撮影(2013年 ロイター/Yuri Gripas)

予想レンジはドル/円が97.00―101.00円、ユーロ/ドルが1.2950―1.3400ドル。

注目材料として、7月30―31日のFOMC、31日の第2・四半期の米GDP、8月1日の7月中国製造業PMI、8月2日の7月米雇用統計等がある。

<安心感に浸るリスク>

最近の市場は、世界経済が緩やかに回復するという”complacency”(安心感、自己満足)に浸っているが、来週のイベントの中には、この安心感を覆しかねないリスクが潜んでいるかもしれない。

「中国が多少なりともなんらかの政策手段を講じるとの期待感のもと、新興国・中国のリスクが軽減され、欧州のマインドが改善し、市場は米国のQE(量的緩和)縮小を織り込みつつ、世界経済が緩やかに拡大するというシナリオに乗って安心している」とSMBC日興証券・金融経済調査部の為替ストラテジスト、野地慎氏は指摘する。

しかし、同氏は「まったりとしたリスクオンの空気感」を崩すきっかけとなる事象が現れるかもしれないとみており、原油高、米国のGDP参照データの変更、中国のPMI等を潜在的なリスク要因として挙げた。

さらに、一見リスクオンに見えても、その前提として世界的な過剰流動性が存在し、人工的にリスクプレミアムが押しつぶされているにすぎないことを忘れてはならない、と話した。

主要通貨に対するドル・ロングが6週間ぶりの高水準まで積み上がる中、来週のイベントがきっかけとなって 「ドル・ロングの一部崩落のリスクがある。ただ、ドル/円に関しては、ユーロ/円の底堅さや機関投資家のドル需要などで、押し目は拾われるだろう」(邦銀)との見方も出ていた。

<米GDPの測定方法変更>

第2・四半期の米GDPは、FOMC2日目の31日に発表される予定だが、今回の統計では、基準年の変更と新しい算出方法が採用される。

「基準改訂により、仕上がりが1.0%を下回り、非常に弱い数字が出てくる余地もあり、年後半にかけて米経済が加速していくとのシナリオに冷や水を浴びせかねない」と伊藤忠経済研究所・主席研究員の丸山義正氏は警鐘を鳴らす。

今回の改訂では、他の財を生産するコストと見なされてきた研究開発費が設備投資に算入されるほか、映画の著作権使用料なども新たに構成要素に組み込まれる。

こうした21世紀型の産業の組み入れはGDPの押し上げ効果があるとみられているものの、第2・四半期には「財政の崖」がGDP全体の足を相当引っ張る形になると予想される。また、今月上旬に発表された5月の貿易赤字が大幅に拡大したことを受け、エコノミストの間で予測を下方修正する動きが出ている。

また、米国で国内需要が精彩を欠くなか、企業は在庫積み増しに慎重な姿勢を示しており、5月の在庫統計は第2・四半期のGDPに対する企業在庫の寄与度が低下する可能性を示唆する内容となっている。

<米FOMC、雇用統計>

米紙ウォールストリート・ジャーナルは25日、FRBが30─31日のFOMCで、金融政策の先行き見通しを示す指針である「フォワード・ガイダンス」をより詳細にするか、修正することを検討する可能性があると報じた。この報道を受け、米国債価格は下げ幅を縮小し、ドル/円は2週間ぶり安値圏まで下落した。

東京市場では、FOMCは「何も進展が無いことが前提」(邦銀)との見方が支配的だが、「来年1月に任期を迎えるバーナンキ議長の後任人事の話が出てくるかもしれず、注意は必要だ」(大手証券)とされる。

前回6月18─19日のFOMC後に公表した声明で、FRBは「少なくとも失業率が6.5%を上回る水準にとどまるとともに、向こう1─2年のインフレ見通しがFOMCの長期目標である2%から0.5%ポイント以内に収まり、長期インフレ期待が引き続き十分抑制されている限り、フェデラルファンド(FF)金利を異例の低いレンジとすることが適切になる」としている。

8月2日の7月の米雇用統計は、第3・四半期の米経済状況を示す最初の大きな統計だけに、注目度は高い。

米労働省が18日発表した統計によると、6月の失業率が前月から低下したのは米50州中11州にとどまった。ただ、19州で全米失業率の7.6%を大幅に下回った。

ロイターニュース 森佳子

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