[ムンバイ/ニューデリー 20日 ロイター] - インド準備銀行(中央銀行、RBI)は20日、通貨安対策の一環として、公開市場オペを通して8月23日に総額800億ルピー(13億ドル)の長期債の買い入れを実施すると発表した。以降の買い入れの規模と頻度については、必要性を踏まえて決定するとした。
中銀はまた、法定流動性比率(SLR)の下で銀行に義務付けている債券保有の水準を緩和。これまでは銀行が償還まで保有する債券の預金に対する比率を徐々に23%まで低下させるよう求めていたが、中銀はこの比率を24.5%まで許容するとした。
HDFC銀行の財務担当者、アシシュ・パルササーシー氏は「中銀は流動性縮小に向けた措置の意図せぬ結果としての長期債利回りの上昇を是正しようとしている」と指摘、こうした措置により10年債利回りは大きく低下し、銀行の償却損は大幅に縮小される」と述べた。
通貨安の進行を食い止めるため、インド政府は資本流出防止に向け数々の措置を導入してきたが、市場では政府が資本規制の導入に踏み切るのではないかとの懸念も出始めている。
ただ、アルビンド・マヤラム財務次官は、政府は資本規制の導入は計画していないと述べた。
ルピー安の進行阻止に向け国内に資金を呼び込むための措置の一環として、政府はこれまで国外に住むインド人向けに国債を発行することも検討してきた。
これについて同財務次官は、「現時点ではそのような資金は必要ではない。今のような状況下でこうした債券を発行すれば、むしろパニックを助長させることになる」と述べ、非居住インド人(NRI)向けソブリン債の発行は現時点では必要ないとの見解を示した。
現在の市場には「パニック的な様相が見られる」とし、こうしたパニックには「まったく根拠がない」と述べた。
米緩和縮小観測の高まりを受け、特に経常赤字を抱える新興国から資金流出が続くなか、インドルピーは20日の取引で1ドル=64.13ルピーまで下落、過去最安値を更新した。市場関係者は、これを受けインド中銀がドル売り介入を行ったとしている。
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