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アングル:首相周辺は消費増税に慎重発言、フリーハンド狙いか

9月9日、2020年夏季五輪の開催都市が東京に決まり、今年4─6月期の実質GDP改定値も上方修正されるなど、明るい材料が広がったものの、安倍首相周辺からは消費増税をめぐり慎重な発言が相次いでいる。ブエノスアイレスで7日代表撮影(2013年 ロイター)

[東京 9日 ロイター] - 2020年夏季五輪の開催都市が東京に決まり、今年4─6月期の実質国内総生産(GDP)改定値も上方修正されるなど、明るい材料が広がったものの、安倍晋三首相周辺からは消費増税をめぐり慎重な発言が相次いでいる。一気に議論が消費増税に傾くことをけん制したとみられ、最後まで首相にフリーハンドを持たせたい、との思惑も感じ取れる。

国際オリンピック委員会(IOC)総会直前には、政府内や首相周辺では、東京誘致に成功すれば、経済波及効果が増税による下押しをある程度相殺するとして、予定通り来年4月からの3%の消費税率引き上を後押しする、との見方が出ていた。

菅義偉官房長官は9日、五輪の東京開催決定とGDPの上方修正を受け、消費増税について「デフレ脱却を最優先すると同時に財政再建もやりとげる内閣だという観点から首相が判断する」と語り、踏み込むことを避けた。

内閣官房参与の本田悦朗・静岡県立大学教授は9日、ロイターに対して「五輪誘致がデフレマインド払しょくに役立つのは事実だが、消費税のようなマクロ政策とは無関係」とし、「マインドが改善しているからこそ、増税は1%ずつ小刻みに実施すべき」と持論を述べた。

市場関係者の間では五輪によるマインド改善にGDP上方改定など実体経済の回復確認を背景に、首相は予定通りの増税に踏み切るとの声が多い。政府関係者の間でも、予定通りに引き上げる方が政治的には容易との指摘が聞かれる。小刻み増税や増税延期など法改正を伴う措置については、与党税調内でも政局をちらつかせる声が散見されるほど抵抗が根強い。

ただ本田氏は「五輪東京誘致で安倍首相の発言力は高まった」ともいう。みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは、「安倍内閣への信頼感が増して、内閣支持率が大幅に上昇すれば、首相の政治的な求心力が高まって、消費増税の問題での首相が自らの判断を押し通すことができる度合も増す」と指摘する。

首相自身は、東京開催決定直後の8日、「開催決定と消費税は直接関係ない」「経済指標などを分析するとともに集中点検会合の議論を参考にしながら適切に判断していきたい」とだけ述べ、方向性を示さなかった。

(竹本能文 編集 橋本浩)

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