for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up

米FRB、さえない米雇用統計でも穏やかに緩和縮小開始へ

[ニューヨーク 10日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)による超緩和的な金融政策の終わりの始まりが、来週17─18日の連邦公開市場委員会(FOMC)で決定される見込みだ。2007年12月から始まった「大不況(Great Recession)」以後で最も注目されるFOMCの1つとなっている。

9月10日、米連邦準備理事会(FRB)による超緩和的な金融政策の終わりの始まりが、来週17─18日の連邦公開市場委員会(FOMC)で決定される見込みだ。7月撮影(2013年 ロイター/Jonathan Ernst)

8月の雇用統計はさえない内容となったものの、この1年間の経済の改善状況を踏まえ、FRBは現在の月額850億ドルの債券買い入れプログラムを縮小するだろう。

FRBのバーナンキ議長が緩和縮小の見通しに触れた5月には、世界的に金融市場が動揺。米国債利回りが上昇し、インドなどの新興国市場から資金流出が進んだことから、先週の20カ国・地域(G20)首脳会議では新興国首脳から不満の声が相次いだ。

それ以来、株価は回復しているが、新興国市場には不安も付きまとう。欧州中央銀行(ECB)のアスムセン専務理事は10日、FRBの金融緩和縮小に伴う影響は、前回引き締めサイクルが開始された1994年当時より大きい恐れがあり、拡張的な政策からの出口戦略を明確に伝えることがいかに大事かを物語っているとの認識を示した。

FRB当局者らは、買い入れプログラムは2014年に入ってもしばらくは続き、翌日物金利はすぐに引き上げないと改めて強調し、プログラム縮小の影響を緩和しようとするかもしれない。

FRBは来週のFOMCを受けて経済見通しを更新する。バーナンキ議長は政策決定について説明するための記者会見を開く予定だが、オバマ大統領は数週間以内に議長の後任を指名するとみられ、長期的な政策の約束については疑問が生じそうだ。

クレディ・スイスのエコノミスト、ダナ・サポルタ氏は「縮小に向けて費やしてきたエネルギーを考慮すれば、FRBが今月、少なくとも穏やかにでも縮小に乗り出せる機会を利用しないとは想像しづらい」と指摘。同氏は150億─200億ドルの縮小を見込んでいる。

米カンザスシティー地区連銀のジョージ総裁は今月6日、買い入れ規模を150億ドル縮小すべきとの考えを示している。

69人のエコノミストを対象にしたロイター調査によると、100億ドルの縮小が見込まれている。8月の調査では中央値が150億ドルの縮小だった。

<「レームダック化」前の最後のチャンス>

2007─09年の景気後退を受け、投資や雇用、経済成長を下支えするため、FRBは1年前、量的緩和第3弾(QE3)を打ち出した。

それ以来、米失業率は8.1%から7.3%に低下し、経済成長率は第2・四半期に速報値を上回る前期比年率2.5%増となった。ただ、過去12カ月間における雇用者数の月間増加幅は平均で18万4000人と堅調なものの、8月には伸びが減速。一部ではQE3縮小が延期されるとの見方も浮上した。

FRBにとって心配なことに、労働参加率も1978年以来の低水準に落ち込んでいる。

とはいえ、ロイター調査によると、約75%のエコノミストが10月や12月ではなく、来週の緩和縮小を予想している。

TDセキュリティーズの金利ストラテジー部門米国ディレクター、リチャード・ギルフーリー氏は顧客向けノートの中で、「(雇用統計が)9月の縮小開始をとどめることはなさそうだ」と指摘。縮小開始を遅らせれば、過度にハト派的な姿勢を示すことになる可能性があるとの認識を示した。

今年に入ってからインフレ率は落ち着いており、FRBは失業率が少なくとも6.5%に低下するまで超低金利を維持するとのコミットメントを強調し、政策引き締めに対する不安の解消に努める可能性がある。

バーナンキ議長はまた、向こう数四半期にわたってQE3を縮小していくとするFRBの辛抱強い姿勢を強調する可能性がある。

来年1月末に任期が切れる議長にとって、来週のFOMCは「レームダック化」する前に緩和策縮小を開始する最後のチャンスとなるかもしれない。

( Jonathan Spicer記者;翻訳 川上健一;編集 田中志保)

for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up