[ニューヨーク 11日 ロイター] - 11日の米国株式市場は、S&P500が7日連続で値上がりした。シリアに対する早期の軍事攻撃の可能性が低下したとの見方が相場の下支えとなった。一方、前日にiPhone(アイフォーン)の新機種を発表したアップルAAPL.Oはこの日5%強急落した。
ダウ工業株30種.DJIは135.54ドル(0.89%)高の1万5326.60ドル。
ナスダック総合指数.IXICは4.01ポイント(0.11%)安の3725.01。
S&P総合500種.SPXは5.14ポイント(0.31%)高の1689.13。過去7日間の上昇率は約3.4%。連続での値上がり期間は7月以降で最長となった。
オバマ米大統領は前日夜の国民向け演説で、シリアの化学兵器をめぐるロシアの提案を検討すると表明。一方で、提案の実現性について懐疑的な見方を示し、シリアへの軍事力行使に備え、米国民に支持を求めた。演説を受け、シリア情勢をめぐる市場の緊張感が和らいだという。
ファースト・シチズンズ・バンクシェア(ノースカロライナ州)の最高投資責任者(CIO)、エリック・ティール氏は「演説によりマクロ面での懸念がある程度和らいだのではないか」とした上で、「最悪のシナリオが起きる可能性は一段と低くなったとの見方から、投資家が市場に回帰しつつある」と述べた。
アップルAAPL.Oはこの日5.4%安。前日の2.3%安と合わせ、過去2日間では今年4月18日以降で最悪のパフォーマンスとなり、失われた時価総額は約230億ドルと、パソコン大手デルDELL.Oの時価総額全体に並ぶ規模となった。
ジャニー・モンゴメリー・スコット(フィラデルフィア)の首席投資ストラテジスト、マーク・ルスキーニ氏は「アップルはいつもあっと驚かせるような製品や戦略を打ち出すことで有名なだけに、前日の発表は期待はずれの印象がある」と述べた。
住宅関連株が底堅く、関連株指数.HGXは1.2%高。DRホートンDHI.Nは3.2%上昇した。
IBMIBM.Nは10日、顧客サービスのアウトソーシング事業をシネックスSNX.Nに5億0500万ドルで売却することを明らかにした。利益率の低い事業を分離する戦略の一環。IBMは2.2%高。シネックスは20%急騰した。
半導体大手のテキサス・インスツルメンツ(TI)TXN.Oは0.7%安。第3・四半期の売上高見通しについて、31億5000万─32億9000万ドルのレンジとし、従来予想の30億9000万─33億5000万ドルから狭めた。1株利益については、0.51─0.55ドルに修正。従来予想は0.49─0.57ドルとしていた。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)、NYSE・MKT、ナスダックの出来高は約56億3000万株と年初来平均の約62億5000万株を下回った。NYSEでは取引銘柄の約53%が上昇、ナスダックでは約半数の銘柄が値下がりした。
(カッコ内は前営業日比)
ダウ工業株30種(ドル).DJI
終値 15326.60(+135.54)
前営業日終値 15191.06(+127.94)
ナスダック総合.IXIC
終値 3725.01(‐ 4.01)
前営業日終値 3729.02(+22.84)
S&P総合500種.SPX
終値 1689.13(+ 5.14)
前営業日終値 1683.99(+12.28)
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