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意外感ある日本株急騰、他市場はFOMC前に様子見

[東京 18日 ロイター] - 日本株は米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を前に、意外感のある急騰となった。様子見気分が続くとみられていたが、仕掛け的な先物買いが入り、裁定買いを巻き込んで上値を広げた。米国やドイツの株価が上昇しており、FOMC後の株高を期待する買いとの見方もある。

9月18日、日本株は米FOMCの結果発表を前に、意外感のある急騰となった。写真は都内の株価ボード。2010年5月撮影(2013年 ロイター/Yuriko Nakao)

ただ、為替や円債など他市場は小動き。マーケット全体としては5年続いた米量的緩和策の行方を見極めたいとのムードが強い。

<日本株の急騰、CTA関与の可能性>

ドル/円は99円台前半、10年日本国債利回りは0.7%前半の水準でほとんど動かないなか、日本株だけが急騰した。一時、日経平均.N225は300円を超える上昇となり、約1カ月半ぶりに1万4600円台を回復。「意外感のある急反発」(証券ジャパン調査情報部長の大谷正之氏)となった。

日本株だけが反応するような材料が出たわけではない。きょう設定の投信による買いとの見方もあったが、400億円程度の規模だ。きょう設定だからといって、買いが本日中に入るとは限らない。9月期末が接近してきたことで配当取りや再投資狙いの可能性もあるが、「300円高をもたらすようなインパクトがあるとは思えない」(国内証券)という。

現物株の東証1部売買代金は2兆円をわずかに上回った程度であり、買いの中心は先物だ。仕掛け的な先物買いが入り、先物価格が上昇。裁定買いが現物株に入ったという。「FOMCの結果判明までボラティリティ低下を予想していた投資家が多く、想定外の値動きで買い戻しを急いだ短期筋も多い」(準大手証券トレーダー)との指摘もあった。

先物買いの主体は不明だが、CTA(商品投資顧問業者)の売買を仲介することの多い欧州系証券などによる日経先物の買い手口が目立っている。ただ、1000─2000枚程度で圧倒的な量というわけではない。仕掛け的な先物買いに、他の短期筋が追随した可能性がある。

岡三証券・日本株式戦略グループ長の石黒英之氏も、意外感のある上昇だと指摘。「FOMCの結果次第では、日経平均が7月19日の高値1万4953円29銭をトライする可能性がある。ただ、さらなる上昇には安倍政権の政策がクリアになることが必要だ。増税の中身や経済対策、成長戦略などがどうなるかを確認しない限り、1万5000円を超える上昇は難しいだろう」と述べた。

<FOMC後の株高期待も>

米国のダウ.DJIやドイツのクセトラDAX指数.DAXが過去最高値圏で推移するなか、日本株の相対的な出遅れに注目した買いが入ったのではないかとの見方もあった。日経平均は5月23日の年初来高値1万5942円から9%低い水準にある。

「米国やドイツはFOMC後の株高を予想したような動きになっている。グローバルマネーが日本株にも流入したのではないか」(大手証券トレーダー)という。

ただ、日本株はバリュエーション的には割安感が乏しい。日経平均の予想株価収益率(PER)は15.8倍、株価純資産倍率(PBR)は1.3倍だ。9月中間期での業績修正やアベノミクスの成長戦略や構造改革を見極めたいとの声が、投資家から多く出ている。

バリュー投資が主体の米大手資産運用会社フランクリン・テンプルトン・インベストメンツのグローバル株式運用担当者のヘザー・アーノルド氏は「日本は現在、非常にエキサイティングな時期にある。利益率や株主還元に焦点を当てる企業が増えてきた」としながらも、現時点では、日本株は割高ではないが、割安でもないと指摘している。

<FOMCはフォワードガイダンスにも注目>

荒れる日本株をよそに、為替市場や円債市場はFOMCを前に様子見ムードを強めている。QE3縮小が本当に決定されるかにも不透明感が依然残っているほか、縮小幅だけでなく、利上げの指針となるフォワード・ガイダンスの強化があるかも焦点だ。議長会見も含め、いろいろな組み合わせが考えられるだけに、市場の反応も読みにくい。

外為どっとコム総研・調査部長・上席研究員の神田卓也氏は、フォワードガイダンスの強化が最大の注目点とする。「今の段階では1年半から2年の間に最初の利上げがあるだろうと予想されているが、失業率の目標が6.5%から6%に引き下げられれば、利上げ開始時期は当然後ずれすることになる。そうなると、ドル/円が基調として上昇を続けるのは難しくなってくる可能性が高い」という。

一方、楽天経済研究所シニア・マーケットアナリストの土信田雅之氏は、QE3縮小決定が市場予想通りであれば、材料出尽くしでいったん株売りになるとみている。「QE3の縮小が決定されるとすれば、米経済が堅調であるためだ。しかし、足元はやや弱い指標も出ている。今後の政策運営を占ううえで、市場の焦点は経済指標に移ってきそうだ」との見方を示している。

(伊賀 大記 編集:田巻 一彦)

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