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消費増税対策で法人減税検討、復興増税分前倒し終了も=政府筋

[東京 19日 ロイター] - 政府は来春の消費増税の前提となる5兆円規模の経済対策の一環として、法人税引き下げの検討に入った。安倍晋三首相と麻生太郎副総理兼財務・金融担当相が18日に首相官邸で協議した。

9月19日、政府は来春の消費増税の前提となる5兆円規模の経済対策の一環として、法人税引き下げの検討に入った。写真はドル紙幣を映す画面を眺めるビジネスマン。都内で4月撮影(2013年 ロイター/Toru Hanai)

東日本大震災からの復興に必要な財源を確保するため2014年度まで上乗せしている復興特別法人税の1年前倒し廃止を含め、検討する。政府関係者が19日、ロイターの取材に対して明らかにした。

<法人実効税率引き下げ、首相が主張>

政府は来年4月に消費税率を現行の5%から8%に予定通り引き上げる意向。ただ1%の消費増税は2.7兆円の税収増をもたらすため、3%の増税は約8兆円の国民負担増となる。首相周辺は3%の増税はデフレ脱却の芽を摘みかねないとして、約2%分にあたる5兆円規模の経済対策を編成し、国民に還元することで景気への悪影響を抑えたい考えだ。

足元で焦点となっているのが、5兆円規模の経済対策の内容。関係筋によると、安倍首相は18日午後の麻生財務相との会談で、企業の競争力強化を狙った法人税率の引き下げに重ねて意欲を表明。これに対して財務相は、消費増税と法人税減税の同時実施は国民の理解が得にくいなどとして慎重な姿勢を示したとみられる。

法人税減税に関して政府は、復興特別法人税廃止の1年前倒しも検討する。これを廃止すれば実効税率ベースで2%強の法人税引き下げとなる。

また、投資減税や賃上げした企業への減税については、拡充措置を盛り込む考えだ。賃上げした企業への減税は、これまで5%以上の賃上げが対象となっていたが、政府関係者の1人は、2、3%への引き下げにより対象を拡大する措置を検討していることを明らかにしている。

<早期の法人税減税に根強い慎重論>

早期の法人税減税をめぐっては、政府・与党内に慎重論も根強い。「税率引き下げが企業の底力を高め、将来的には税収増にもつながる」(経済官庁幹部)などとして、首相をはじめ甘利明経済再生相らが導入に前向きだ。

だが、財務省や一部与党関係者は、税収の減少が財政健全化の遅れや市場からの信認低下につながりかねないと主張し、政府・与党内なでの意見対立が表面化している。

慎重派の中には、復興増税の前倒し終了が被災地を含む国民の理解を得られるか、疑問視する声もある。「最終的には首相判断になるが、政府の統一見解としてまとめるには時間がかかる」(与党幹部)との見方もある。

公明党の山口那津男代表も19日、法人実効税率下げは「重要な課題だが、むしろ中期的な展望の中で効果的なタイミングを計るべきだと話してきた」と指摘。「(消費税率)8%への引き上げの段階で、直ちに行うかはこれまで(自公税調などで)議論になっておらず、与党側には慎重な意見が強い。政府側の考えを聞きながら、最終的には税制協議会などで議論を詰めていくことだと思う」としている。

<簡素な給付金、1万円以上も検討へ>

消費税率の8%への引き上げに伴う低所得者対策である簡素な給付措置については、1人あたり原則1万円の現金を支給する方向で議論されていたが、政府はさらなる拡充措置も検討する方向だ。

同給付金についてはバラマキ批判も根強いが、円安を背景とした物価上昇が続くなかで、消費増税が消費の腰折れにつながることを懸念する首相周辺で重視されている。

((ロイターニュース 竹本能文 基太村真司 吉川裕子;編集 田巻一彦 石田仁志)

*情報を追加しました。

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