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焦点:米FRB次期議長、イエレン氏なら上院承認に大きな支障なし

[ワシントン 26日 ロイター] - 今の米議会上院では、すんなりと可決されるような法案は存在しない。だが、もしオバマ大統領が米連邦準備理事会(FRB)の次期議長にジャネット・イエレンFRB副議長を指名すれば、比較的円滑に指名承認が進んでいくはずだ。

9月26日、オバマ大統領がFRBの次期議長にジャネット・イエレンFRB副議長を指名すれば、比較的円滑に指名承認が進んでいくはずだ。写真は昨年11月撮影(2013年 ロイター)

大統領は今後数週間以内に、来年1月末で任期を終えるバーナンキFRB議長の後任を正式に指名する見通し。ホワイトハウス当局者は、これまでのところイエレン氏が最有力候補だとの認識を示している。

上院では全100議席のうち与党民主党が54議席を占めており、大統領がイエレン氏を指名した場合は、共和党の中から6人の支持を獲得できれば、承認手続きを進めて任命にこぎ着けることができる。

党派的な対立が激化しているワシントンでは、この種の採決の行方についても慎重に考える必要があり、イエレン氏が上院に呼ばれた場合、いくつかの厳しい質問にさらされる覚悟もしなければならないだろう。それでも政治ストラテジストによると、大統領は指名承認のために共和党の穏健派に頼ることは可能だという。

ハミルトン・プレース・ストラテジーズのパートナーで、ジョージ・W・ブッシュ政権でホワイトハウス高官を務めたトニー・フラット氏は「公聴会は厳しいものになる。しかし最終的には、たとえイエレン氏が進めていくであろう金融政策の方向性に異論があったとしても、2010年にFRB副議長として既にいったん承認した経緯がある上院は、彼女を快く受け入れると思う」と語った。

上院ではまず、大統領の指名人事は銀行住宅都市委員会で審議されてから本会議の採決に送られる。

<上院銀行委の承認は確実>

共和党はこれまでFRBがバーナンキ議長の下で行ってきた超金融緩和政策に批判を浴びせ、資産バブルや将来のインフレを招きかねないと警告を発してきた。

イエレン氏も、3回の量的金融緩和を含めてバーナンキ議長が推進した積極策を強く支持した。

ただ、上院銀行住宅都市委員会のメンバー22人のうち共和党議員は10人しかいない。残る民主党議員12人は全員がイエレン氏を支持すると予想され、同委員会が指名を承認するのは事実上確定している。

大統領によるFRB次期議長の正式指名は早ければ来週にも行われる可能性があるが、ホワイトハウスが10月1日の新年度入り後の政府機関閉鎖を回避するための政治闘争にかかりきりになってしまう恐れもある。

正式指名が来週中になければ、10月半ば以降にずれ込むかもしれない。大統領は10月6日から1週間の日程でアジアに外遊するからだ。

ゴールドマン・サックスのエコノミストチームによると、イエレン氏がいったん指名されれば、上院銀行住宅都市委員会は11月ないし12月に、本会議は1月に承認すると予想される。

2004年のケースでは上院は当時のグリーンスパン議長の任期最終日になってようやくバーナンキ氏の後任人事を承認した。

<女性初の点が有利に>

今週に入ると共和党は、オバマ大統領が署名した医療保険改革「オバマケア」に予算を手当てしないことを狙って、政府機関閉鎖を招きかねない強硬姿勢を取っている。

それでもイエレン氏を指名すれば、ホワイトハウスは本会議での手続きを進めるのに必要な60人を確保する上で、共和党から十分な支持を得られるだろう。

ブルッキングス研究所のシニアフェロー、ウィリアム・ガルストン氏は、対立の前に責任を果たすとの考えに従う共和党議員が最低10─15人はいるとみている。

2010年のイエレン氏のFRB副議長指名承認の際は、上院銀行住宅都市委員会の色分けは賛成17人、反対6人だった。反対したのは全員共和党議員で、このうちボブ・コーカー氏(テネシー州)、リチャード・シェルビー氏(アラバマ州)、デービッド・ビター氏(ルイジアナ州)、マイク・クラポ氏(アイダホ州)の4人は現在も同委員会に所属している。この時の本会議での採決は発声投票だったため、記録が残っていない。

1つの手掛かりになるかもしれないのは、2010年のバーナンキ議長の再任に関する採決で、賛成した70人のうち共和党議員が22人を占め、彼らの中の15人は現在も議席を維持している。

ポトマック・リサーチの政治ストラテジスト、グレッグ・バリア氏は「恐らく共和党議員の多数はイエレン氏に反対するだろうが、民主党議員は全員賛成する」と述べた上で、全体では65票かあるいは70票の賛成が得られるとの見立てを示した。

イエレン氏がFRB議長になれば女性初だという点も、彼女に有利に働くとみられる。承認に反対した議員は、来年の中間選挙で女性の有権者からそっぽを向かれる危険があるからだ。

昨年の選挙で女性の支持を失った共和党としては、さらに怒りを買いたくはないだろう。

ハミルトン・プレースのフラット氏は「イエレン氏はその職務適正の高さゆえに指名され、承認を得られるだろうが、(女性初のFRB議長という)歴史的な指名を妨げたくないと考える共和党議員も何人か存在すると思う」と話した。

(Alister Bull記者)

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