[東京 27日 ロイター] - 東京電力9501.Tの広瀬直己社長は27日、衆議院経済産業委員会の閉会中審査に参考人として出席し、福島第1原発の放射能汚染水について「海への影響はしっかりコントロールできている」と発言した。今井雅人議員(維新)の質問に答えた。
安倍晋三首相は今月、ブエノスアイレスでの国際オリンピック委員会総会でのプレゼンテーションで、汚染水問題について「状況はコントロールされている」と強調した。
この点について広瀬社長は「安倍総理の発言については、(福島第1敷地前面の)湾の外に影響が及ぶことはないという主張だと聞いている。これについては全く同じ考えだ。トラブルは発生しているが、海への影響はしっかりコントロールできている」と述べた。
広瀬社長はまた、同社の再建計画である「総合特別事業計画」につて「見直していかないといけない」と指摘。総合計画では、2013年4月からの柏崎刈羽原発が順次再稼働することを想定しているが、新潟県との調整が遅れ、東電はこの日ようやく同6、7号機の新規制基準適合審査を原子力規制委員会に申請した。
ただ、再稼働の実現は早くても来年春以降の見込みで、今後9年間にわたる収支見通しを含め総合計画の見直しが必要になっている。
安倍首相が今月19日、福島第1原発5、6号機の廃炉を要請したことを受けて、同社はコスト削減や設備投資抑制で10年間で1兆円をねん出する方針も示した。1兆円確保について同社長は「(修正計画に)盛り込んでいく」とした。
(浜田健太郎)
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