[東京 9日 ロイター] - パナソニック6752.Tは、プラズマテレビ事業から完全撤退する方針を固めた。複数の関係筋によると、プラズマテレビ用パネル(PDP)を製造する尼崎工場(兵庫県尼崎市)の生産を2013年度末にも停止する。プラズマ工場の建物の減損処理で400億円強の構造改革費用を計上する。
月内にも発表する見通し。プラズマテレビの新規開発はすでに中止。プラズマ唯一の生産拠点の尼崎工場では、すでに第1棟と第3棟の生産は停止しているが、第2棟の生産を今期末で停止する。これにより、2000年代初頭から進めてきたパナソニックのプラズマ事業は完全に終息する。
尼崎工場は、すでに第1棟と第3棟の設備や建物の減損処理を終えているため、今期のプラズマ関連の構造改革費用は第2棟の建物が対象になる。尼崎工場の第2棟で働く従業員400─500人は配置転換する。プラズマの生産を終える尼崎工場は売却を含めて活用を検討する。
パネルの生産停止により、プラズマテレビの販売は在庫がなくなり次第、終了することになり、同社のテレビ事業は液晶テレビ1本になる。
液晶パネルの製造拠点の姫路工場(兵庫県姫路市)では、テレビ用パネルの生産比率を引き下げて、タブレット端末などテレビ以外の用途のパネルの生産を引き上げる計画。また姫路工場には有機ELパネルの試作ラインがある。有機ELパネルはソニー6758.T と量産技術の共同開発で提携しており、2013年内の技術確立を目指す。
パナソニックは「PDPの事業戦略はさまざまな検討をしているが、現在決定した事実はない」とのコメントを発表した。
(ロイターニュース 村井令二 編集 宮崎大)
*内容を追加します。
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