[ニューヨーク 9日 ロイター] - 9日の米国株式市場はダウとS&P総合500種が反発。こう着していた米財政協議に打開の兆しが見えたことを好感した。ナスダックは続落。
ダウ工業株30種.DJIは26.45ドル(0.18%)高の1万4802.98ドル。
ナスダック総合指数.IXICは17.06ポイント(0.46%)安の3677.78。
S&P総合500種.SPXは0.95ポイント(0.06%)高の1656.40。
米共和、民主両党の間で、財政協議の時間を稼ぐために連邦債務の上限を短期的に引き上げる案が浮上。また、オバマ大統領は政府機関閉鎖と債務上限の問題について話し合うため両党の議員らをホワイトハウスに招き始めた。
大統領が次期連邦準備理事会(FRB)議長にイエレン副議長を指名したことも、金融緩和の縮小を慎重に進めるとの期待から、一定の買い安心感を誘った。
ダーデン・レストランDRI.Nが7.1%上昇。ヘッジファンドのバーリントン・キャピタルがダーデン株を2.8%取得したとウォールストリート・ジャーナル紙が伝えたことが好感された。ネットフリックスNFLX.Oなど、今年堅調が続いていたハイテク株は売られ、ナスダック指数を押し下げた。
US・グローバル・インベスターズのヘッドトレーダー、マイケル・マトウセク氏はハイテク株の下落について「政府機関閉鎖をめぐる不透明感と、それにより国内総生産(GDP)が日々削られていることを背景に、残念ながら一部の投資家は出遅れ株を買うのではなく、今年堅調だった銘柄を売却し始めている。ハイテク株はこれまで非常に堅調だった」と説明した。
下院予算委員長を務める共和党のライアン議員(ウィスコンシン州)は新聞に寄稿し、協議を通じて事態の打開を図るよう促す一方、医療保険改革法に関する要求を政府予算と関連付けることには言及しなかった。この寄稿も地合いのわずかな改善に寄与した。
投資家の不安心理を示すCBOEボラティリティ指数(VIX指数).VIXは一時21.34まで上昇し、その後は19.60に戻した。
9月17─18日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録では、債券買い入れ縮小の見送りが「比較的ぎりぎり」の決定だったことが明らかになった。年内の資産買い入れ縮小が依然として幅広く支持されていることも分かった。
ランドコルト・キャピタルのマネジングパートナー、トッド・ショーンバーガー氏は「低成長と政府機関閉鎖に見舞われ、現在が困難な時期なのは明らかだ。あと数四半期は買い入れ縮小はないだろう」と述べた。
ヒューレット・パッカードHPQ.Nが約9%急伸。メグ・ホイットマン最高経営責任者(CEO)は2014年に売上高が安定し、2015年には事業が再び加速するとの見通しを示した。
ヤム・ブランズYUM.Nは、中国の売上高回復に予想より時間がかかるとの見通しを示し、6.8%下落した。
ニューヨーク証券取引所、ナスダック、NYSE MKTの3市場の出来高は約59億株と、年初来平均の約61億株を下回った。
(カッコ内は前営業日比)
ダウ工業株30種(ドル).DJI
終値 14802.98(+26.45)
前営業日終値 14776.53(‐159.71)
ナスダック総合.IXIC
終値 3677.78(‐17.06)
前営業日終値 3694.83(‐75.55)
S&P総合500種.SPX
終値 1656.40(+0.95)
前営業日終値 1655.45(‐20.67)
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