[ニューヨーク 15日 ロイター] - 格付け会社フィッチ・レーティングスは15日、米国の「AAA(トリプルA)」格付けをウォッチネガティブに指定し、財政協議がこう着していることを理由に最上級格付けから引き下げる可能性があると警告した。
フィッチは声明で「引き続き、債務上限が早期に引き上げられると信じているものの、政治の瀬戸際戦略や資金調達の柔軟性低下は米国がデフォルト(債務不履行)するリスクを高める可能性がある」と表明。上限引き上げの遅れは、米国の債務返済に対する完全な信頼、信用に疑問符を付けるとあらためて指摘した。
2014年第1・四半期までに格下げを行うかどうか決定するとしている。
フィッチは、主要格付け3社のなかで唯一、米国のソブリン格付けの見通し(アウトルック)をネガティブとしている。
2011年8月に債務上限引き上げで混乱した際は、スタンダード&プアーズ(S&P)が米国を最上級格付けから「AA─プラス」に引き下げた。
ムーディーズ・インベスターズ・サービスは米国の格付けを「Aaa」、見通しを安定的としている。
フィッチの発表を受け、財務省の報道官は「発表は、議会がわが国経済が直面しているデフォルトの脅威を取り除くため早急に行動する必要があることを反映している」とコメントした。 フィッチは前週、米国債の利払いと元本償還の両方あるいはどちらかが滞った場合にのみ、デフォルトと判断する、と表明していた。
パイオニア・インベストメント・マネジメントのポートフォリオ・マネジャー、ジョン・キャリー氏は「(格下げの)リスクがあることを投資家に認識させている。状況を見守る」としたうえで、「きょうは双方が合意に近づいているとの期待が一時高まっていたが、現時点ではわからない」と語った。
*内容を追加します。
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