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アングル:反EU政党、来年の欧州議会選で勢力拡大か

[ブリュッセル 30日 ロイター] -来年5月に欧州議会選挙を控える欧州連合(EU)。反EUを唱える政党の勢力が拡大するとみられる中、欧州委員会のバローゾ委員長は、過熱するナショナリズムや排外主義、人種差別に警鐘を鳴らす。

10月30日、来年5月に欧州議会選挙を控えるEU。反EUを唱える政党の勢力が拡大するとみられる中、欧州委員会のバローゾ委員長は、過熱するナショナリズムや排外主義、人種差別に警鐘を鳴らす。ザグレブで2011年12月撮影(2013年 ロイター/Nikola Solic)

欧州議会は閣僚理事会と共同で立法権を持つ。EU加盟国の18歳以上が選挙権を有し、約760議席を直接普通選挙により選出する。

来年5月22―25日の欧州議会選を約半年後に控えて行われた複数の世論調査では、極右および極左の候補者が支持を拡大する可能性が示されている。その背景には、3年に及ぶ財政混乱や低成長、深刻な失業問題などによるEU離れがある。

中道右派でポルトガルの元首相でもあるバローゾ委員長は、ロイターとのインタビューで、「経済危機や失業率上昇はポピュリスト勢力に支持拡大の好機を与える」とし、「狭量なナショナリズムや排外主義を助長するような話」に懸念を表明。「そう遠くない昔、欧州は排外主義や人種差別、不寛容が非常に憂慮されるべき段階にあったことを忘れるべきではない」と語った。

バローゾ氏は特定の政党や組織には言及しなかったが、世論調査の結果によると、英国、フランス、フィンランドを含むいくつかの国では、移民に強硬姿勢を取る右派政党が票を伸ばす可能性がある。

欧州議会選まではまだ時間があり、流れは変わる可能性も十分あるが、英国では独立党が1位もしくは2位になるとみられている。

一方、フランスではルペン氏が率いる極右政党「国民戦線」が2大政党を引き離しており、最近のある世論調査では、同党の勝利が予想されている。

<極左も台頭>

右派勢力のほか、ギリシャやイタリアでは国民からの強い支持を得ている極左による活動も活発化。ドイツの反ユーロを掲げる新党「ドイツのための選択肢(AfD)」のような単一争点政党も議席を獲得するとみられている。

主要政党の政治家や政治アナリストたちは、反EU政党が欧州議会選でどのくらい議席数を獲得するかを推測するのは時期尚早だとしているが、票の2─3割程度を獲得する可能性があると広く予想されている。

極右、極左の政党は互いに正反対に位置しており、国内問題など限られた課題を掲げていることが多く、1つの勢力を形成することはほぼないとみられる。だがその一方で、より大きな極右政党の間で何らかのグループがつくられ、欧州議会の進行を妨げる可能性もある。

ただ同時にバローゾ氏は、選挙後の議会でも主要な政党が多勢を占めることに変わりはないと自信をのぞかせる。主要政党が議会を主導し、極右、極左政党をけん制するには欧州の価値観を説明していく必要があると指摘。

「だからこそわれわれは、いわゆる主要政党に対して、安全地帯を越える勇気を持ち、危機的状況にある現在においてEUが当たり前ではないことを考えてほしいと呼びかけている」と述べた。

(Luke Baker、Stephen Adler記者、翻訳:伊藤典子、編集:宮井伸明)

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