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イエレン氏はマクロプルーデンス政策重視へ、金融政策と同等に

[ニューヨーク 15日 ロイター] -米連邦準備理事会(FRB)の次期議長に指名されたイエレン副議長は、物価安定と雇用最大化という二重の使命と同じ程度に、金融市場の安定確保と銀行の厳しい監視という「マクロプルーデンス政策」に重きを置きそうだ。

11月15日、米FRBの次期議長に指名されたイエレン副議長は、物価安定と雇用最大化という二重の使命と同じ程度に、金融市場の安定確保と銀行の厳しい監視という「マクロプルーデンス政策」に重きを置きそうだ。14日の指名公聴会で撮影(2013年 ロイター/Joshua Roberts)

イエレン副議長の14日の上院証言では、ウォール街の監視と安定化の問題が支配的な議題となった。副議長は、FRBの優先リスト上で金融監督は金融政策と対等な位置を占めるべきだと述べた。

副議長としてのイエレン氏は現在、なお脆弱な金融システムを安定させるための決定へと、同僚の理事らを意欲的に導いているように見える。

イエレン氏はエリザベス・ウォーレン上院議員とのやり取りで、1990年代のような金融監督問題でのFRB定期会合の復活について、「(検討に)値する案だ」と証言した。

副議長はまた、資産バブルの芽を摘み取るための利上げなど、伝統的な金融政策手段を使う用意もあると強調。「大きすぎて潰せない」銀行への対処は「危機後の時代における最重要目標の一つとする必要がある」と明言した。

イエレン副議長はかねてバーナンキ議長とともに、大手金融機関のリスクテークを抑制し、経営難に陥った大手銀行は政府が救済してくれるとの概念を消し去る必要性を頻繁に唱えてきたが、上院証言では新たなアプローチを示した。

RBSアメリカズの米国債ストラテジーヘッド、ウィリアム・オドネル氏は「FRBがいかに大胆に大手銀行の監督体制を改革したかについて、イエレン氏は明快に説明し、マクロプルーデンス面の監督の議論に従来よりも多くの時間を同僚らと費やすであろうとの印象を残した」と指摘。「マクロプルーデンス政策と金融政策のバランスが改善することが示唆された」と話した。

金融危機を受けて2010年に成立した米金融規制改革法(ドッド・フランク法)により、FRBは金融システムのリスクが経済全体に及ぶことを防ぐ、いわゆるマクロプルーデンス規制の責任を負うことになった。

<バブルと大手銀行>

金融リスク退治の方法については、FRB内部で意見の相違があるようだ。

ダラス地区連銀のフィッシャー総裁は米セントラルバンカーの中で唯一、大きすぎる銀行は単純に分割すべきだとする大胆な案を唱えている。またスタインFRB理事は今年、FRBが金融政策の引き締めにより資産バブルを阻止すべきかどうかという議論の口火を切った。

イエレン氏は14日の上院証言で、金融安定を脅かすような広範なレバレッジの蓄積はまだ認められないと発言。最高値を更新する米国の株価が「バブルに似た」領域に入っているとは感じないとも述べた。

しかしイエレン氏は、「(FRBの)監督能力は非常に重要であり、重要性は金融政策とまったく同じだ」と明言。通常はFRBスタッフが取り扱うような重要な規制関連の決定に、政策決定幹部をもっと関与させることは可能との考えも示した。

「1990年代には、理事会は実際に定期的に会合を開いて監督問題を協議していた。私としては、そうした会合を非常に価値があると考えていた。従って、検討に値する案だと思う」とイエレン氏は述べた。

グリーンスパン前FRB議長と、初期のバーナンキ議長の下でのFRB体制は銀行監督について不干渉の姿勢を採った。しかし2004年から10年にかけてサンフランシスコ地区連銀総裁を務めたイエレン氏は今なお、自身とその他の監督当局者が、緩い貸し出し慣行と危機を招いた住宅価格の高騰を結び付けて考えられなかったことに心を痛めている。

銀行監督の問題は通常FRBの規制専門家が対処し、タルーロ理事が統括している。ホワイト・アンド・ケースのパートナー、アーネスト・パトリキス氏は「タルーロ理事は事実上一人でこの責務を担ってきた。問題は、重要な課題について理事会の関与を強めるような変化が起こるかどうかだ」と語った。

(Jonathan Spicer記者)

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