[28日 ロイター] -28日の感謝祭を迎えた米国では、早い時間から営業を開始した小売店にプレゼントなどを求める買い物客が訪れた。ただ、ロイターが一部店舗に取材したところでは、来店客数は多くなく、消費者が財布のひもをあまり緩めていないことをうかがわせた。
小売りチェーンのKマート、アパレルブランドのオールドネイビー、高級百貨店ロード&テイラーが前年と同様に感謝祭当日早くから開店。百貨店メーシーズM.Nも、創業以来初めて感謝祭当日に営業した。
全米小売業協会(NRF)は、感謝祭の週末の来店客数を最大1億4000万人と、前年の1億3900万人からやや増加すると見込む。
しかし、多くの専門家は、不安定な消費者信頼感に加え、今シーズンは流行のファッションアイテムに欠けているとして、全体的な販売の伸びはさえないと予想している。
実際、ニュージャージー州ウッドブリッジのウォルマートWMT.N店舗では午後2時30分時点で客の姿はほとんどなく、店員の方が多かった。
一方、感謝祭当日にはインターネット上で買い物をする人が多くなっている。IBMデジタル・アナリティクス・ベンチマークによると、東部時間午後3時時点の感謝祭関連のオンライン販売は、前年の同じ時間帯に比べ9.4%増えている。
調査会社コムスコアのアンドリュー・リップスマン氏は「電子商取引にとって、感謝祭は年末商戦で最も伸びが大きい日」と指摘。「感謝祭にショッピングをしても構わないと感じる人が増えている」と述べた。
ただ、調査会社ショッパートラックによると、年末商戦において最も売り上げが大きくなり、人出でにぎわう日は、引き続き感謝祭翌日のブラック・フライデー(黒字の金曜日)となりそうだ。
感謝祭当日は自宅で家族と七面鳥を食べ、アメリカンフットボールを観戦するとの伝統も根強い。
<パイはあまり拡大せず>
ディスカウント大手のターゲットTGT.Nや家電量販店ベスト・バイBBY.N、玩具小売りのトイザラスは、感謝祭当日の開店時間を昨年よりも早めた。
百貨店コールズKSS.NとJCペニーJCP.Nも、感謝祭当日に初めて営業した。
証券会社エドワード・ジョーンズの小売部門担当アナリスト、ブライアン・ヤーブロー氏は「早いうちに開店した店舗は売り上げを伸ばすだろうが、結局のところ、全体のパイが拡大するとは思えない。シェア獲得にすぎない」と指摘した。
同氏は11月と12月の全体的な販売が2.8%増になると予想。NRFによる3.9%増予想に比べ慎重な見方を示している。
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