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東電の新再建計画、コスト削減1.4兆円上積み

[東京 15日 ロイター] - 東京電力9501.Tは15日、新しい再建計画の内容を発表した。新計画では10年間累計で3.4兆円としていたコスト削減を1.4兆円上積みすることなどを盛り込んだ。

1月15日、茂木敏充経済産業相は、東京電力が昨年12月に政府に提出した新しい再建計画(総合特別事業計画)を認定した。写真は昨年7月、都内で撮影(2014年 ロイター/Yuriko Nakao)

収支改善の決め手となる柏崎刈羽原発は今年7月から順次、再稼動する前提を置いたが、広瀬直己社長は会見で「再稼動は仮置きで計画ではない」と慎重姿勢を崩さなかった。

<燃料費6500億円削減目指す>

2011年3月に発生した福島第1原子力発電所の事故を受け、当時の民主党政権が東電の総合特別事業計画を12年5月に認定。ただ、収益改善の決め手となる柏崎刈羽原発が13年4月から順次再稼働するという想定が実現せず、計画に大幅な狂いが生じているため、内容の練り直しを迫られていた。

一方で、深刻化する福島第1の汚染水対策や廃炉費用での国費投入が決定。東電として応分の負担を示すためにも、単体で1000人、グループで2000人の希望退職募集を打ち出した。1.4兆円の追加コスト削減は、資材・役務調達費、他社からの受電コストや燃料調達費、人件費や合理化投資などでねん出する。

原発停止で収支を圧迫する火力燃料費についても、他社との共同調達などを通じた購買力強化やシェールガスの調達、高経年化火力の建て替えなどにより将来的に6500億円の原価低減を目指すとしている。前年度の火力燃料費は2兆8000億円近くに上り、20%強の削減を狙う。

<従来の経営手法変えると次期会長>

4月1日付で東電会長に就任する数土文夫取締役(JFEホールディングス5411.T相談役)も会見に出席。数土氏は新計画について「今後の3年間が勝負の時」と述べた。ターゲットとなる2016年度には持ち株会社制への移行や社債市場への復帰を記載。16年度末に原子力損害賠償支援機構を通じて政府が保有する議決権比率を3分の1超に引き下げ、実質国有化からの脱却を目指す。

数土氏は、鉄鋼メーカーで経験した国際市場競争を踏まえ、「地域独占や総括原価(主義)に安住と批判されてきた従来の経営手法や事業モデルを大胆に転換する」と強調した。

脱国有化は、支援機構と東電の社外取締役が協議して、評価基準を満たしているかどうかを判断して決める。2020年代初頭に国の議決権比率を3分の1未満に引き下げ、復配や自己株式消却開始を狙う。20年代半ばには一定の株価を前提に機構が保有する東電株の市場売却など、政府の資本関与を薄める長期スケジュールを示した。

<株主・貸し手責任不問で社員にしわ寄せも>

除染や廃炉対策費など原発事故絡みの国費が新たに決まる一方で、株主・貸し手責任を事実上不問にしている点に対しては、有識者や社会全般からの批判が根強い。批判をかわすことを意識したとも取れる希望退職募集は、福島第1での事故収束作業や被害者への賠償対応業務など、現場で働く従業員の士気低下につながるおそれも否定できない。

広瀬社長は、株主・貸し手責任について、「議論があるのは承知しているが、福島の責任を果たしていくことをどう担保するが今のあり方」と述べた上で、「社員に対してしわ寄せばかりさせていくわけにはいかない。条件がそろえば給与だけでなくやり甲斐を示していく」と語った。

<再稼動遅れれば値上げも検討>

安定した黒字化達成のカギを握る柏崎刈羽原発再稼動については、原子力規制委員会が審査中の7号機を今年7月から、同じく審査中の6号機を来年度の上期中に再稼動するとの前提を置いた。

また、1・5号機が14年度下期に再稼働するのが収支計画上の前提だ。残りの2、3、4号機については未定としており、再稼動する場合としない場合の収支計画を設定。再稼動する場合、収支計画上は「16年度を中心に(再稼動を)置いている」(広瀬社長)という。

新計画では2015年3月期の経常利益について、1677億円(14年3月期見込みは271億円)を見込む。柏崎刈羽6、7号の再稼働が想定よりも大幅に遅れる場合は、14年秋ごろまでに値上げが必要になるかどうか判断する。

(浜田健太郎 編集:田巻一彦)

*情報を追加して再送します。

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