[東京 16日 ロイター]-ビール大手5社が16日に発表した2013年のビール系飲料(ビール・発泡酒・新ジャンル)の課税出荷数量は、前年比1.0%減となった。
夏の猛暑やアベノミクスによる景気回復などが後押ししたものの、すう勢的な減少傾向や秋の天候不順による落ち込みをカバーできなかった。9年連続の減少で、現行統計が始まった1992年以降の過去最低を更新した。
2014年は、4月の消費増税が波乱要因となる。各社は「消費の2極化」が顕著になると予想、付加価値の高い商品で市場の活性化を図りたい考え。伸長しているプレミアムビール市場で大手4社の商品が出揃うことから、競争は激しくなりそうだ。
各社別では、アサヒビール(アサヒグループホールディングス2502.T)のシェアが37.6%、2位のキリンビール(キリンホールディングス2503.T)が34.8%となり、アサヒが4年連続でシェアトップ。 サントリー酒類(サントリーホールディングスSUNTH.UL)は14.7%で過去最高のシェアを達成したほか、サッポロビール(サッポロホールディングス2501.T)は12.0%で2年連続のシェアアップを果たした。キリンビールのみがシェアを低下させた。
13年の酒類別の出荷量は、ビールが前年比1.7%減、発泡酒が同6.3%減となった一方で、新ジャンルは同2.0%増と伸びた。この結果、ビール系飲料全体に占める酒類別の構成比は、ビールが50.0%、発泡酒が13.5%、新ジャンルが36.5%。新ジャンルは伸び率が鈍化しているものの、9年連続で前年比プラスとなった。
昨年12月の課税出荷量は、前年比0.5%減で2カ月連続でマイナスとなった。酒類別の出荷量は、ビールが前年比横ばい、発泡酒が同7.9%減で7カ月連続のマイナス、新ジャンルは同1.7%増で2カ月ぶりのプラス。ビール系飲料全体に占める酒類別の構成比は、ビールが55.8%、発泡酒が12.6%、新ジャンルが31.6%となった。
ビール系飲料の出荷量は、アサヒビール、キリンビール、サントリー酒類、サッポロビール、オリオンビールの5社の合計。
(清水律子 編集:田中志保)
*内容を追加します。
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