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11月機械受注、5年4カ月ぶりの高水準:識者はこうみる

[東京 16日 ロイター] -内閣府が16日に発表した11月機械受注統計によると、設備投資の先行指標である船舶・電力を除いた民需の受注額(季節調整値)は、リーマン・ショック前の08年7月以来、5年4カ月ぶりの高水準となり、大型案件が少ない割にしっかりとした回復を感じさせる内容となった。

1月16日、内閣府が発表した11月機械受注統計によると、設備投資の先行指標である船舶・電力を除いた民需の受注額は、5年4カ月ぶりの高水準となった。写真は群馬県内の自動車工場で昨年3月撮影(2014年 ロイター/Toru Hanai)

11月機械受注に関する識者の見方は以下の通り。

●手控えられていた設備投資が年度後半に増加

<IHS シニアエコノミスト 田口 はるみ氏>

市場予想を上振れたが、年度前半に手控えられてきた設備投資が年度後半に出てくるとみていたので違和感はない。業種でばらつきはあるが、製造業、非製造業ともに設備投資は拡大方向にある。これだけ企業業績が増加し、円安トレンドが続いていることで、企業もようやく重い腰を上げてきたようだ。人口が減る中で本格的な国内回帰ということにはならないだろうが、減税など政策面でのフォローもあるなか、国内外の比率を見直す動きが出てきそうだ。

●特殊要因なく強い結果、駆け込み需要も

<SMBC日興証券 シニアエコノミスト 宮前耕也氏>

大型受注などの特殊要因は特段見当たらず、素直に強い結果と評価できる。景気回復に増税前の駆け込み需要があいまって、機械受注は増加基調をたどっている。

四半期ベース(10─11月平均の7─9月平均対比)でみると、前期比+5.7%(7─9月期+4.3%)と伸び率は加速。通常、機械受注を左右するのは輸出動向だが、当面は増税の影響が全体の動向を左右するだろう。

1─3月期まで駆け込み需要で増加基調をたどった後、4─6月期以降は反動減が出るだろう。

●設備投資の本格回復、もう少し時間かかる

<農林中金総合研究所 主席研究員 南武志氏>

事前予想を大きく上振れる結果となった。詳細にみると、製造業では造船業が10月の大幅増からの反動が出たほか、一般機械、自動車・造船業以外の輸送用機械なども減少。一方でパルプ・紙・紙加工品、石油製品・石炭製品が激増したことが全体を大きくけん引した。化学工業、情報通信機械も増加したが、増加業種は4業種に限られ、全般的に盛り上がったという状況ではない。非製造業では金融・保険業、建設業がともに減少に転じたが、減少幅は限定的で、卸売・小売業、運輸・郵便行、情報サービスなどが増加し、全体を押し上げた。

12月が前月比横ばいで推移すれば10─12月期は前期比7.2%増と3四半期連続の増加となる。製造業で反動減が出る可能性もあるが、それを見込んだとしても、3四半期連続の前期比プラスとなる可能性はかなり高い。

当面の焦点は14年度の消費増税の影響だろう。政府は補正予算を編成し、賃上げを要請してきた。しかし、14年度の成長率見通しの大勢は1%程度であり、13年度からのゲタの水準を割り込むことは必至。これまで、成長率が前年度からのゲタを割った年はいずれも景気後退局面であったことから注意が必要だ。企業もその行方を見極めたいと考えているとみられ、設備投資が本格回復となるにはもう少し時間がかかるだろう。

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