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輸出伸びない背景に海外企業の競争力向上=日銀地域経済報告

4月17日、日銀は円安が進んでも輸出の伸びが鈍い背景として、新興国経済の減速や海外生産シフトに加え、海外企業の競争力向上など構造的な問題も指摘している。写真は都内のコンテナ港で3月撮影(2014年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 17日 ロイター] -日銀は17日公表した地域経済報告(さくらリポート)で、製造業の生産・輸出動向について分析した。円安が進んでも輸出の伸びが鈍い背景として、新興国経済の減速や海外生産シフトに加え、海外企業の競争力向上など構造的な問題も指摘している。

日銀は現在2%の物価目標を達成する異次元緩和を進める前提として、米国など先進国を中心とした海外経済の回復により輸出が次第に増加するとの立場だ。しかし一昨年暮れからの急激な円安進行のわりには輸出の伸びが緩やかなものにとどまっている現実を踏まえ、国内各支店のヒヤリングをもとに論点を整理した。

輸出数量が伸び悩んでいる背景として、第一に新興国経済の減速を挙げた。具体的には、1)タイの自動車購入支援策終了や政情混乱に伴う需要低迷、2)中国の供給過剰や需要促進政策終了、倹約令による消費者マインド悪化、3)インドの金融引き締めによる設備投資低迷、4)資源国向け建設・鉱山機械の輸出低迷─を理由としている。

また日本企業側の要因としては、既に過去の急激な円高への対応策として海外への生産移管を進めてしまっており、外需の回復が必ずしも輸出増加に結びつかないとも指摘している。

さらに、「低中級品市場で中国・韓国メーカーの品質競争力が向上」(福岡・長崎支店)、「海外ローカル企業の技術が飛躍的に向上」(京都支店)など、構造的な要因を指摘する声も上がった。スマートホンやタブレット端末の普及で、デジカメやパソコン、携帯電話向け輸出が減少していることも要因という。

一方、一部では円安で競争力の回復もみられていると指摘。半導体製造装置や工作機械で「欧州系や中国・韓国系企業に奪われた製品の受注が回復」しているほか、造船で「中国・韓国企業に対する価格競争力向上を背景に受注環境が好転」したとの例を取り上げている。円安を契機に「アジア向け紙おむつの輸出が増加」(高知支店)した例もあるという。

また「限界的な動き」としつつ、円安を契機に海外進出計画を見直した造船や自動車部品業界の動きも紹介している。

竹本能文 編集:田中志保

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