[東京 13日 ロイター] - 東芝(6502.T)は13日、2020年3月期(米国会計基準)の営業利益は前年比3.9倍の1400億円を予想していると発表した。構造改革や調達改革が寄与する見通し。会社予想はリフィニティブが集計したアナリスト16人の予想平均1163億円を上回る。
会見した車谷暢昭会長・最高経営責任者(CEO)は「今後、各種の改革活動の効果をさらに積み増すことで、1400億円の達成を確実にしたい」と語った。
部門別ではエネルギーシステムソリューションが280億円の黒字転換(前年は240億円の赤字)を予想。前年比3.9倍の490億円と大幅増を見込んでいるデバイス&ストレージソリューションとともに営業利益を大きく押し上げる見通し。
売上高は前年比7.9%減の3兆4000億円を計画。デバイス&ストレージソリューションが中国経済減速の影響などで前年比9%の減収を予想している。
デバイス&ストレージでは、赤字のシステムLSI事業で350人の早期退職優遇制度を実施する。これにより、事業の黒字転換を目指す。
2020年3月期の業績予想は昨年11月に公表した中期経営計画「東芝Nextプラン」に沿ったもので、車谷会長は「計画は順調に進んでいる」と語った。液化天然ガス(LNG)事業の売却先探しについては「スタートとしては順調にさまざまな交渉が進んでいる」としたが、具体的な言及は避けた。
同社はLNG事業を中国企業に売却する予定だったが、先方からの申し入れにより4月に白紙となり、売却プロセスを再開している。
2019年3月期の売上高は前年比6.4%減の3兆6935億円、営業利益は同58.9%減の354億円だった。
<社外取締役を増員へ>
東芝は同日、社外取締役を7人から10人に増員すると発表した。これにより、取締役12人中、車谷会長と綱川智社長を除く10人が社外取締役となる。6月26日開催の定時株主総会に付議する。
新任取締役候補は7人で、このうち4人が外国人。同社は株主の投資ファンドから取締役候補に関する提案を受けており、今回の人事はそうした圧力も背景にあるとみられる。
*内容を追加しました。
志田義寧