[東京 8日 ロイター] - 東芝6502.Tの不正会計をめぐり、東京地検特捜部が証券取引等監視委員会に対して「事件化は難しい」との判断を伝えていたことが明らかになった。関係者が8日、ロイターの取材に答えた。
監視委は、西田厚聡元社長、佐々木則夫元社長、田中久雄元社長の刑事告発を視野に調査を進めてきたが、告発が見送られる公算が大きくなった。
監視委は、パソコン事業で行われていた、組み立て業者に部品を売って完成品を買い戻す「バイセル取引」を特に問題視。関係者から事情を聞くなどして実態解明を進めてきた。
しかし、特捜部は実際に部品のやり取りが行われ、架空取引ではなかったこと、他のメーカーでも同様の取引がみられることなどから、個人の刑事責任を問うのは難しいと判断したもようだ。
監視委は、歴代3社長の刑事告発の可否について今後も地検と協議を続け、結論を出す方針。
同社の不正会計をめぐっては、昨年12月、金融庁が金融商品取引法違反(有価証券報告書等の虚偽記載)で73億7350万円の課徴金を納付するよう命令した。
和田崇彦 編集:田巻一彦
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