[東京 6日 ロイター] - 東芝6502.Tでメモリー事業を率いる成毛康雄副社長(社内カンパニーのストレージ&デバイスソリューション社社長)は6日の投資家向け説明会で、主力のNAND型フラッシュメモリーの生産を2018年度に前年度比3倍(容量ベース)に引き上げる計画を明らかにした。
今年度に量産を始めた3次元(3D)フラッシュメモリーを強化し、17年度には生産比率を5割まで高める方針。
成毛副社長は3Dの量産について「2年遅れているという人もいるが、(量産が)どんなものかある程度わかってきた。これなら行けると思っている」と述べ、先行きに自信を示した。18年度には大部分が3Dになる見通しだ。
3Dはメモリーセル(最小単位の回路)を縦方向に積層する技術で、チップの高容量化に適している。メモリー業界では今後の主戦場になるとみられているが、韓国サムスン電子005930.KSなどが先行しており、市場を取り巻く環境は厳しい。
同社はメモリー事業を強化するために、2016─18年度に累計8600億円の設備投資を計画している。
<エネルギー事業、数値計画に自信>
エネルギー部門の社内カンパニー、エネルギーシステムソリューション社のダニー・ロデリック社長(ウエスチングハウス会長)は同部門の業績計画について、保守的に見積もった数字であることを強調し、その達成に自信を示した。
エネルギー部門は2018年度に売上高1兆9300億円(15年度1兆5842億円)、営業利益は750億円(同3463億円の赤字)を計画。このうち、原子力はサービス・燃料ビジネスの強化や新設プラントの拡販などで、18年度に売上高1兆0200億円(同7275億円)、営業利益670億円(同2088億円の赤字)を目指している。
ロデリック社長は、業績計画について「コンサバティブ(保守的)な数字だと思っている」と指摘。「着実に達成していきたい」と語った。
同社は2030年度までにすでに受注済の8基を含め、45基の原子炉を受注する計画だが、ロデリック社長は45期以上の受注に意欲を示した。
45基は「のれんの減損テストで評価を保守的に見積もった数字」(同社)で、ウエスチングハウスは2030年度までに65基の受注を計画している。
志田義寧
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