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東洋水産に海外ファンドが株主提案、親子上場の弊害指摘=関係者

[東京 16日 ロイター] - 即席麺の「マルちゃん」ブランドで知られる東洋水産に対し、シンガポールのヘッジファンドが、同社の上場子会社を含むグループ全体のコーポレートガバナンス(企業統治)改善を求める株主提案をしたことが分かった。複数のファンド関係者が16日、明らかにした。

即席麺の「マルちゃん」ブランドで知られる東洋水産に対し、シンガポールのヘッジファンドが、同社の上場子会社を含むグループ全体のコーポレートガバナンス(企業統治)改善を求める株主提案をしたことが分かった。2020年6月、神奈川県川崎市で撮影(2022年 時事通信)

提案したのはアジアの割安な中小型株を中心に投資するヴァサンタ・マスターファンド。シンガポール上場の投資会社TIHが運用する。東洋水産が議決権の50.9%を保有する上場子会社ユタカフーズを巡り、グループ内のガバナンス体制について説明責任を果たすよう要求している。

関係者らによると、ヴァサンタはユタカフーズの第2位の株主で、議決権の5%弱を保有している。東洋水産の保有比率は小さいというが、具体的な数字は不明。

親子上場は欧米では珍しく、親会社が自社の利益を優先して子会社の少数株主が不利益を被る恐れがあるなどとして、海外投資家を中心に批判が強い。海外でも知名度が高い「マルちゃん」を展開する東洋水産は海外株主が多く、提案への賛同が一定数広がれば対応を迫られる可能性がある。

ロイターが閲覧した株主提案権行使書によると、ヴァサンタは上場子会社の上場を維持する理由や、ガバナンス体制の実効性について、東洋水産の取締役会で検討、開示することを義務付ける定款の導入を提案。親子間の利益相反リスクや、株価が実力よりも割り引かれるなど親子上場の弊害を指摘し、「(ユタカフーズの)上場を維持する十分な合理性がない」としている。

同じ関係者らによると、ヴァサンタはユタカフーズにも株主提案をしており、監査等委員会設置会社への移行などを求めている。売り上げや原料仕入れの大部分を東洋水産に依存していること、会長と社長が共に東洋水産出身であることなどを背景に、親会社との取引で利益相反のリスクが高いことを挙げ、統治体制を強化すべきとした。

提案はいずれも先月送られ、各社が6月にそれぞれ開く定時株主総会で決議される見込み。

東洋水産とユタカフーズは共にコメントを控えた。

日本は欧米と比べて親子上場が多く、東京証券取引所のデータベースによると、上場する親会社を有する上場子会社は約260社ある。東証の市場再編で上場維持基準が厳しくなっているほか、企業統治に対する意識の高まりを受けて、完全子会社化もしくは株式売却によって親子上場を解消する企業は増えている。

(山崎牧子 編集:久保信博)

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